日本たばこ産業(JT)の目前には急拡大が見込まれる加熱式たばこ市場が広がる。問題はJTが生産・供給で出遅れていることだ。海外勢に市場の大半を奪われかねない。

  マールボロを展開する米フィリップ・モリス・インターナショナル(PMI)の加熱式たばこ「アイコス(iQOS)」は、全国販売開始から1年足らずで日本のたばこ市場の5.5%を占めるに至った。JTの「プルーム・テック」の全国展開が遅れている間に、英ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)も昨年12月に「グロー(Glo)」で日本参入を果たした。

PMIの加熱式たばこ、アイコス
PMIの加熱式たばこ、アイコス
Photographer: Akio Kon/Bloomberg

  葉タバコを燃やすのではなく、専用デバイスで加熱により蒸気を発生させ、それを吸引する加熱式たばこ。競合相手に追いつこうと奮闘するJTだが、今期(2017年12月期)は減益を見込んでいると6日発表した。次世代たばこ技術の真価が問われる重要市場の一つである日本で失敗すれば、JTの世界での勝負に響く恐れがある。こうした製品は健康リスクや周囲の目をあまり気にしなくてもよいと一部では考えられており、海外でも広がっているからだ。

「深刻な問題」

  「技術的なリスクがあるようだ」と、BGCパートナーズの日本株セールス担当マネジャー、アミール・ アンバーザデ氏(シンガポール在勤)は指摘する。「フィリップ・モリスと張り合える技術を確立するのにJTは深刻な問題を抱えているように見受けられる」と述べた。

  JTが見込む今期の営業利益は前期(16年12月期)比5.6%減の5600億円。ブルームバーグがアナリスト16人から集計した市場予想の平均5908億円を下回る水準だ。売上高見通しは市場予想の2兆2400億円に対し、同1.6%減の2兆1100億円。

全国販売は18年上半期

  国内たばこ市場に占める加熱式たばこのシェアは16年10-12月期の5%から17年には15%に上昇する見込みだと、JTの小泉光臣社長は6日の会見で述べた。発表資料によると、JTはプルーム・テックを6月以降に東京でも販売を開始し、18年上期に全国販売を開始する。昨年福岡市内で先行発売したところ供給が追いつかず、7日間で出荷停止となった経緯がある。

  米国では一般的にeシガレット(電子たばこ)として知られるニコチンを加味した液体は、日本では医薬品医療機器等法の規制対象となっている。アイコスやプルーム・テックのように葉タバコを使用する加熱式たばこ製品は、そうした規制の対象にならない。

  JTのこうした次世代製品の担当者によると、プルーム・テックの生産が追い付かない問題は続いており、解決に時間がかかる可能性があるという。BGCのアンバーザデ氏は、競合製品が発売から1年足らずで市場の5.5%を占めるまで成長したことを指摘。「これは大きい」と述べた。

原題:Marlboro Man Takes E-Cigs Share on Japan Tobacco Supply Woes (1)(抜粋)

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