女性向け衣料品「MOUSSY(マウジー)」などを製造・販売するバロックジャパンリミテッドは2020年までに営業利益で100億円と、17年1月期計画比63%増を目指す。重点地域の中国を中心に店舗網を拡大するとともに、商社を通さずに直接取引する提携工場を増やし利益率を高める方針だ。東京・渋谷発のファッションを武器に世界市場の開拓に打って出る。

  同社の山崎浩史取締役常務はブルームバーグの取材に対し、「オリンピックイヤーまでにトップラインで1000億円、営業利益で100億円は最低限でも目指したい」と1月30日に語った。「国内市場はシュリンクしており、海外に打って出ないとならない。まずは中国、続いて北米、中南米地域に順次展開していく」と説明した。17年1月期の売上高計画は前の期比5.9%増の728億円で、3割以上の増収を目指す格好だ。

  同社が現在、注力しているのが中国事業。現在約190店展開する主力ブランド「マウジー」を中心に20年には500店に増やす。マウジーはそもそも日本国内で「男性に媚びない、かっこいいファッション」として20-30代前半を中心に急速に支持を得ており、この独自路線は中国でも一層受け入れられるはずだと自信を強めている。「日本の客単価は約1万円台だが、中国は3万円ほど。良い品物を作れば高い価格でも売れると証明されている」と山崎氏は言い、「中国経済は悪いとされているが、消費者の購買力は上がり続けている」とみる。 

  中国事業の17年1月期の日本円換算の利益は10%以上増えるもよう。同社は13年に小売り店約2万店を展開する百麗国際控股(ベル・インターナショナル)と戦略的パートナー契約を締結。設立した合弁会社で中国卸売・小売を展開しているため、店舗物件の確保や人材育成などで経費を軽減できる。現在は中国のほか、北米にも2店舗(ニューヨークに直営店)を展開している。

  カブドットコム証券の河合達憲マーケットストラテジストは「中国の経済成長の伸びは鈍化しているが、個人の消費意欲は高い」と指摘。中国では「日本ブランドは依然として人気。安ければいいわけではなく、ファッション性、品質の良さも兼ね備えている必要があり、高い方が売れることもある」とみており、バロックについては「これまで順調に業績を積み上げてきており海外展開にも強さがみられ、業績は伸びていくだろう」と話す。

  一方で営業利益率の向上にも取り組む。「ZARA」を展開するインドゥストリア・デ・ディセニョ・テクスティル社の営業利益率が「15%くらいなのに対し、日本のアパレルは当社も含めて10%ほど」と山崎氏は話す。直接生産を依頼する提携工場での生産比率を高めていく方針だ。3年ほど前から改革を進めており、当時10%以下だった直接生産比率は来期は40%ほどとなる見込み。毎年5ポイントほどずつ上げ、将来的には7割程度にしたい考えだ。

  同社は、ファッション好きの若者たちが2000年に創業し、同年4月に1号店を東京・渋谷区の商業ビル「SHIBUYA109」に出店した。06年には海外第1号店を香港に開店し、海外進出に足がかりを築いた。

  16年11月には東証1部に新規上場。初値は公開価格の2000円を5%下回る1900円。2月7日終値は1541円と、上場来、初値を下回っている。「上場時にはチャイナリスクを警戒する方が多かった」と山崎氏と説明する。カブコム証の河合氏は、ファッション業界は「トレンドがすぐに変化し、飽きられやすい。増益持続へのハードルが高くなっていることは確か。海外でしっかりとブランド力を高められるかどうかが鍵」とみる。

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