環境対応車や自動運転、情報通信をめぐる技術変革が急速に進む中、トヨタ自動車スズキは業務提携に向けた覚書を締結した。資本提携の可能性については結論を急ぐ状況にはないとしている。

  両社の6日発表資料によると、環境・安全・情報技術、商品・ユニット補完などの協力を検討していくとした。直ちに推進体制を立ち上げ、合意内容の具体化を目指す。スズキの原山保人副会長は都内で会見し、実現可能性について協議していく合意とし、各分野の中身についてコメントを控えたいと話した。

  提携の背景について、原山氏は、先進技術開発でスズキの「リソースでは遅れを感じざるを得ない状況」とし、トヨタに提携協議を申し入れたと述べた。一方、「ウィンウィン」を目指しており、一方的なものではないとした。資本提携の可能性については、結論を急ぐ状況ではないとの認識を示した。部品の共同購買については、今回の合意事項に含まれておらず、将来の協議はしていないとした。

  両社は昨年10月、業務提携に向けた検討を開始すると発表していた。国内自動車メーカーでは合従連衡が進んでおり、トヨタは子会社としてダイハツ工業と日野自動車があるほか、ブルームバーグのデータによると、富士重工業といすゞ自動車にそれぞれ17%近く、約6%を出資している。マツダとは15年5月に業務提携に向けて基本合意している。

  一方、燃費不正問題で販売が低迷した三菱自動車に対して、仏ルノーと提携する日産自動車が発行株式数の約34%を取得し、資本・業務提携している。ホンダは燃料電池車(FCV)の普及に向けて米ゼネラル・モーターズ(GM)と提携し、1月には水素燃料電池システムを量産する合弁会社の設立を発表した。

  国内市場の4割近くを占める軽自動車では、トヨタが完全子会社化したダイハツと、スズキが首位を激しく争ってきた。インドでは、スズキが現地子会社マルチ・スズキ・インディアを通じて乗用車の生産・販売を拡大している。原山氏は軽自動車市場での競争について、ダイハツと「今後も切磋琢磨(せっさたくま)していき、競争法に抵触することはない」と語った。

  スズキは以前、提携関係にあったGMと資本関係を解消した後、2009年12月に独フォルクスワーゲン(VW)との包括提携を発表。しかし、期待した成果が得られず、国際仲裁裁判所での手続きを経て15年に提携を解消していた。

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