6日の東京外国為替市場のドル・円相場は1ドル=112円台半ばでもみ合い。前週末発表の米雇用統計で平均時給の伸びが鈍化したことを受けて早期利上げ観測が後退したほか、10日の日米首脳会談を控えて慎重姿勢も強く、上値が重い展開となった。

  午後3時28分現在のドル・円は前週末比0.1%安の112円55銭程度。朝方に付けた112円71銭から一時112円23銭までドル安・円高が進む場面があった。午後は112円台半ばに値を戻している。主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数はほぼ横ばいの1231.22。

  三井住友信託銀行マーケット金融ビジネスユニット為替セールスチームの西田朋広主任調査役は、ドル・円について、「朝方は仲値がドル売りだったことや円金利が上昇していたこともあって、下値をうかがう動きが強まった」と説明。ただ、「日米首脳会談を控えていることもあって様子見になりやすい。午後に入り、112円半ば前後まで戻しているが、基本的には112円割れがなかったということで、買い戻しの動きではないか。首脳会談への警戒が上値を抑えていることもあり、このまま112円ちょうどから113円50銭程度の狭いレンジ相場が続きそう」と語った。

  バンク・オブ・アメリカ(BOA)外国為替本部の岩崎拓也営業本部長は、米雇用統計について、「平均時給の伸びが弱く、米連邦準備制度理事会(FRB)は慎重な姿勢を継続せざるを得ないという見方となった」と分析。「ドル・円を支える一番の材料は日米金利差ということから、いったん重たい展開。もっとも大きく円を買う状況でもなくレンジ内での推移」と述べた。

  6日同時刻現在の日本国債と米国債の10年物利回り格差は235ベーシスポイント(bp)と、前週末3日の236bpから縮小している。

  3日の米国市場で、ドルは小幅下落。1月の雇用統計で非農業部門雇用者数は市場予想を上回ったものの、失業率が上昇し、賃金の伸びが減速したことが重しとなった。対円では112円32銭までドル安が進む場面があった。

  ソシエテ・ジェネラル銀行東京支店の鈴木恭輔為替資金営業部長は、「米雇用統計は賃金の伸びが失望に終わったことを受けて、ドル・円が下落。目先は日米首脳会談を控えており、相場的には動きづらい。下値は112円40銭割れで買いが強そうな一方、上値は113円20銭がせいぜいか」とみている。ただ、「FRB高官からタカ派な発言が出るなど、ドル・円はサポート材料が多い」と語った。

ドルと円
ドルと円
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  米サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁は3日、ブルームバーグとのインタビューで、リスクバランスが上向きつつある中では、3月の利上げは理にかなっている可能性があるとの認識を示した。

  一方、米金利先物動向に基づきブルームバーグが算出した利上げ予想確率によると、3月の連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げは3日時点で30%程度と見込まれており、2日の32%程度から低下している。

  BOAの岩崎氏は、「米利上げは様子見姿勢なら株にはポジティブ要因。3月の米利上げはないとは言わないが、先物市場では織り込みが30%程度まで低下している。米利上げは急がなくても良く、慎重な運用続けるとの見方から、3月は恐らくないのではないか」と分析。「トランプ米大統領に対する期待感では、財政政策が焦点で、ドル高シナリオ。しかし入国規制のやり方をみてもあまりにも計画性がない。トランプ政権の舵取りに信頼感が揺らいでいる」と語り、中期的なドル買いにも疑問が出ているとの見方を示した。
  
  ユーロ・ドル相場は同時刻現在、0.1%安の1ユーロ=1.0773ドル。朝方には一時1.0802ドルまでユーロ高・ドル安に振れる場面があった。ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁は6日、欧州議会で演説する予定。

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