米連邦準備制度理事会(FRB)は金融政策の壮大な実験開始からほぼ10年を経て、ようやくその巻き戻しについて話し始めている。それが実行に移されれば債券市場に波及し、米住宅市場の回復にも脅威を突き付ける恐れがある。

  どれほど大きな影響が及ぶかを数値化することは難しい。だが、金融危機後の前例のない量的緩和(QE)の一環としてFRBが蓄積した保有債券を縮小する必要性について、幾人かの当局者がここ1カ月に公に言及している。こうした発言を受け、ウォール街関係者の間では当局が早ければ年内に縮小を開始するとの見方も一部浮上。1兆7500億ドル(約200兆円)規模の住宅ローン担保証券(MBS)の保有が再び関心を集めている。

  FRBは4兆4500億ドルの資産の一部として米国債を保有しているものの、MBSの保有は長期にわたり論争を呼ぶ問題となっており、一部の議員はFRBの責務達成に必要な措置を超えた投資だと批判している。FRBは現時点で米国のMBS需要の最大の源泉で、MBS市場の3分の1を占めるだけに、何か行動を起こせば住宅購入者のコストを押し上げる公算が大きい。

  過去1年だけでもFRBは、保有を維持するためだけに3870億ドル相当のMBSを購入した。ムーディーズ・アナリティクスによると、景気改善を受けて当局が債券購入から手を引けば、30年物住宅ローン金利は3年以内に6%を超える可能性がある。

  RBCキャピタル・マーケッツの米金利戦略責任者、マイケル・クロハティ氏はQEの巻き戻しはMBS市場に「大規模で長期にわたる打撃を与える」と述べ、当局が10-12月(第4四半期)に保有証券の縮小を開始して最終的に保有するMBS全てを処分すると予想した。

原題:The Mortgage-Bond Whale That Everyone Is Suddenly Worried About(抜粋)

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