エアバッグ問題から再建を目指すタカタの出資者(スポンサー)候補として、1年前には中国の寧波均勝電子のことを想像していた人はほどんどいなかっただろう。

  米TRWの元幹部が設立した寧波均勝電子は、タカタの売り上げの4分の1以下で、従業員が半分以下、そして70年ぐらい若い会社だ。タカタの方は自社製エアバッグの不具合で搭載車のリコールが数千万台規模に拡大しており、その対策費も増大している。「タカタは非常に大きく、深刻な危機に直面している」と寧波均勝電子の最高経営責任者(CEO)、唐宇新氏が3月のインタビューで述べている。

  タカタは4日、再建策を委ねる外部専門家委員会からスポンサー候補としてキー・セーフティー・システムズ(KSS)を推薦された段階とし、一部報道に対して、決定した事実はないと発表した。KSSについては寧波均勝電子が昨年、9億2000万ドルで買収している。エアバッグ業界でKSSは、最大手でスウェーデンのオートリブなどの主要メーカーの一角を占め、15年の市場シェアは約4%だった。

  寧波均勝電子は2004年創業で、中国で最大級の自動車部品メーカーの一つとなり、米ゼネラルモーターズや独フォルクスワーゲンを主要顧客にしている。

  タカタは4日の発表文で、再建方法として法的整理が前提であるかの報道があるが、現時点で何ら決定した事実はないとし、一部報道にあった自動車メーカーの意向について承知していないとした。その上で、リコール交換部品の供給を含め、製品の安定供給を最優先に考えており、全てのステークホルダー(利害関係者)に配慮し、法的整理によらない関係者の合意による再建の方向性を目指しているとした。

  タカタの再建をめぐってKSSは、企業連合に3割を出資する予定の米投資ファンドのベインキャピタルと組み、エアバッグメーカーのダイセルは出資せずに生産パートナーとして参加する方向だと、事情に詳しい関係者が話した。ベインとダイセルの企業連合はタカタのスポンサー候補として、以前に応募していたという。

  KSSとしてはタカタを傘下に収めた段階で、エアバッグやシートベルトなどタカタの主要事業を維持するほか、アジア拠点を上海から東京へ移すことを検討していると、事情に詳しい関係者の1人が明らかにした。寧波均勝電子の傘下でも、KSSは独立しており、自らタカタ再建の交渉をしている。

  KSSはタカタ再建に際して、日本で法的整理の方が迅速性や透明性に優れているとしても、裁判所が関与しない私的整理の選択肢も維持していると、関係者が話した。

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE