日本たばこ産業(JT)は、今期(2017年12月期)の営業利益が5600億円になる見通しを発表した。国内で従来の紙巻きたばこの需要が落ち込む中、新しい加熱式たばこへの投資を加速させる。

  前年比5.6%減で、ブルームバーグがアナリスト16人から集計した市場予想の平均5908億円を下回った。売上高2兆1100億円(市場予想2兆2400億円)、純利益4020億円(同4204億円)の見通しも示した。営業減益は前期発生した不動産売却益の減少の影響を受ける。

  国内では少子高齢化や健康志向の高まりで、喫煙者の数が減少している。JTによると、16年の同社の紙巻きたばこの販売数量は前年比2.8%減の1062億本で、10年から21%減となっている。今年は960億本を見込んでいる。同社は近年買収などにより海外での収益を拡大させており、直近の事業別売上高は海外たばこが約6割を占める。

「10年戦争スタート」

  発表資料によると、灰の出ない加熱式たばこの一種、「プルーム・テック」を6月以降に東京でも販売を開始し、18年上半期に全国販売を開始する。昨年福岡市内で先行発売したところ供給が追いつかず、7日間で出荷停止となった経緯がある。

  今年が加熱式たばこの「10年戦争のスタートだ」と、JTの小泉光臣社長は都内の決算会見で述べた。福岡での事態を受け、「以前予測していたよりも、非常に商品の力が強そう」だとわかったとしている。

  国内たばこ市場に占める加熱式たばこのシェアは16年10-12月期の5%から17年には15%に上昇すると見込んでおり、発表資料によると、東京での販売を今年6月以降に開始し、18年前半に全国で販売を始める予定。製造能力は年内に月産2000万パックとなり、設備投資も計画から1年前倒しし、18年に完了させる。

煙出ず、臭い少ない

  同製品は副流煙が出ず、紙巻きたばこに比べて臭いが少ない。健康リスクも抑えられる可能性があることから関心は高く、低迷する国内たばこ市場の中で明るい材料となっている。競合の米フィリップ・モリスは、煙が出ない蒸気たばこ「アイコス」を15年9月から日本に投入し、販売を拡大している。

  海外たばこ事業の調整後営業利益は為替一定ベースで9%の成長を見込む。JTは各国通貨建ての海外売上高をドル建てに換算した後、日本円へ換算して利益を算出しており、英ポンドやユーロの不利な為替影響を受ける。円ベースにすると3.2%増にとどまる。JTは業績比較のための財務指標の一つとして、営業損益から買収に伴い生じた無形資産に係る償却費などを除いた調整後営業損益を公表している。

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