トヨタ自動車は今期(2017年3月期)の業績見通しを上方修正した。諸経費の増加などがある中、為替相場を円安方向に見直したことなどが寄与する。市場予想は下回った。

  6日発表の決算資料によると、今期の純利益予想は前期比27%減の1兆7000億円で、従来は1兆5500億円だった。営業利益は同35%減の1兆8500億円(従来1兆7000億円)に見直した。ブルームバーグが集計したアナリスト20人の純利益予想の平均は1兆7451億円だった。

  今期業績予想の増額は円安効果が主因となっている。今期の為替前提は対ドルで従来の103円から107円に、対ユーロで同114円から118円にそれぞれ見直した。営業利益の段階で、為替変動の影響が従来予想に比べ、2550億円のプラス要因となる。

  ダイハツ工業、日野自動車を含むトヨタグループ世界販売は小売りベースの計画で、従来の1010万台から前期比0.6%増の1015万台に上方修正した。中国合弁などを除いた連結ベースの地域別では、日本や北米などの販売計画を若干引き上げた。大竹哲也常務は決算会見で、今年の米国市場について、前年比2%程度減少して1720万台ぐらいになるとの見通しを示しながらも、トヨタ車の販売は前年並みの見込みと話した。

  通商政策で米国最優先の発言をしているトランプ政権の影響について、大竹常務は、現時点で見通すのは難しいと述べ、政権の動向をみてグループとも連携すると話した。国内生産は300万台を維持する方針に変わりないとした。米国の生産能力については余力がなく、「増設はかなりのリードタイムが必要であることはご理解いただきたい」と語った。

  早川茂専務は、10日の日米首脳会談を控えた安倍晋三首相とトヨタの豊田章男社長の夕食会について、足元の情勢について懇談したと説明した。首脳会談では両国経済発展に向けて意思疎通を図ってもらいたいと話した。

  トヨタの昨年10ー12月の純利益は前年同期比23%減の4865億円だった。ブルームバーグのデータによると、昨年10-12月の為替相場は対ドルの平均値で110円近くとなり、前年同期に比べ1割近い円高で推移していた。ブルームバーグが集計したアナリスト10人の純利益予想の平均は4188億円。

  トヨタは昨年のグループ世界販売で前年比0.2%増の約1017万5000台となり、5年ぶりに首位を逃した。独フォルクスワーゲン(VW)が同3.8%増の約1031万2000台と、年間で初めて首位になった。

  国内大手自動車メーカーの決算は、ホンダが3日に発表し、円安などで今期業績予想を増額修正した。日産自動車は9日に公表する予定だ。

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