トランプ米大統領が懲罰的な関税を中国に課した場合、その痛みは日本や韓国、台湾にも広がる。中国が世界市場に向けて電子機器などの製品を生産できるのはアジアのサプライチェーンのおかげで、それを支えているのがこれらの国・地域だからだ。

  しかしアジアでは中間層が急拡大し、数億人にも膨らんでいる。これは中国をはじめ、アジア各国・地域の輸出企業の米消費者への依存が下がっていることを意味する。過去数十年にわたって歴代の米大統領が利用できたてこを、トランプ氏は使えないかもしれない。

  アジア開発銀行(ADB)のエコノミスト、ジョン・ウー・カン氏によれば、アジア各国・地域の世界貿易のうち、域内取引の割合は2015年に57%に上った。1990年当時は46%未満だった。

  同氏はアジア企業による域内の越境投資が、アジア以外の企業からの投資よりも取引を活発化させていると分析。またアジア以外の企業と比べ、域内企業はグローバル・バリュー・チェーンに一段と組み込まれているため、それが新たな貿易障壁に対する緩衝材として機能すると説明する。「風船の一部を押しても、別の部分が膨らむ」とし、中国製品が米国の標的となってもアジアの国・地域がそこに生じた隙間を埋めると述べた。

原題:If Trump Hits China, Regional Demand Would Ease Blow in Asia (1)(抜粋)

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