訪日中のマティス米国防長官は4日午前、防衛省を訪れ、稲田朋美防衛相と初めて会談した。トランプ大統領が言及している在日米軍の駐留経費の負担問題についての議論には踏み込まなかった一方で、中国との間で緊張関係が続いている南シナ海への関与強化で一致した。

  稲田氏は会談終了後の共同記者会見で米軍駐留経費負担について「全く議論がなかった」と語った。その上で、「双方の合意に基づいて適切に負担している」と日本側の立場を説明、同盟に基づく分担は「金銭的なものに限るものではない」と述べた。

  マティス氏も日米同盟は揺るぎないものであるとし、日本はコスト分担で他国の手本であると評価。日米による防衛への投資継続が重要との認識を示した。

  防衛省によると会談は約85分間にわたって行われ、日米両国が南シナ海での中国の活動に関して「安全保障上の懸念」であり、関与を強化していく方針で一致した。北朝鮮の核・ミサイル開発に関しては、日米韓の連携が重要との認識を確認した。
  
  この日の会談で、マティス氏は沖縄県・尖閣諸島について、米国の対日防衛義務を定めた日米安全保障条約第5条の適用範囲であるとの認識を改めて表明。稲田氏は会見で、新政権においても、従来と同様の見解が示されたことについて「こうした米国のコミットメントは大変意義あること」だと米側の姿勢を評価した。

  一方で、マティス氏は中国の南シナ海での活動について、劇的な軍事行動は不要だとも述べ、外交を通じた問題解決を図るべきだとの考えを示した。
  
  稲田氏は、日米同盟に関し「抑止力、対処力を一層強化すべく日米が連携していくことを確認した」とし、その中で「わが国の役割を強化していく」ことをマティス氏に伝えたと発言。安全保障関連法の成立などに触れ、「世界の平和にも貢献しているし同盟の強化に資することも行っている」と強調した。また安倍政権下では防衛費が毎年増額されており「しっかりとわが国の防衛力を強化している」とも語った。

  この日の会談では、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への県内移設についても「唯一の解決策」として再確認した。

 

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