トランプ米大統領はウォール街にとって本当に有益なのか、という疑問がちょうど金融市場に広がり始めたところだった。そのタイミングを狙い澄ましたように、大統領はバンカーが待望していた規制緩和の大統領令に署名、これを受けて大手金融会社の株価は急伸した。

  トランプ大統領は3日、金融危機後に設けられた規制を巻き戻すための大統領令2つに署名。標的には退職者を高い金融手数料から守るためのルールと、銀行の自己取引を禁じる規制が含まれる。

   ゴールドマン・サックス・グループのロイド・ブランクファイン最高経営責任者(CEO)やJPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモンCEOは、2010年施行のドッド・フランク法(金融規制改革法)に基づくシステムは金融業界を締め付け過ぎるとして、何年も前から見直しを訴えてきた。就任後2週間での大統領の政策は貿易と移民にほぼ限定しており、金融業界からはこうした政策に反発の声が多く挙がったが、この日は大統領令への署名によって、業界が最も忌み嫌っていた規制の多くをひっくり返すプロセスが始まった。

  元ゴールドマンの社長で、新政権で国家経済会議(NEC)委員長に就いたゲーリー・コーン氏は3日にブルームバーグテレビジョンのインタビューで、「ドッド・フランク法の全側面を攻撃する」と表明。議会の支援を得なくても、政府だけで「かなりのことができる」ものの、「議会からの助けがあればその分、誰もがもっと望ましい状況になるだろう」と述べた。

  ドッド・フランク法改正法案を議会で通すのは容易ではない。たいていの場合は、フィリバスター(議事妨害)を避けるために上院で少なくとも民主党議員8人の賛成を取り付ける必要がある。共和党は改正法案の一部について、財政調整措置として知られる手法を活用する可能性がある。この手法を用い、ドッド・フランク法の特定条項が財政赤字を拡大させることを証明すれば、民主党の賛成票を取り付ける必要はなくなる。

原題:Wall Street Hope Revived as Trump Plans to Roll Back Rules (1)(抜粋)

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