来週の債券市場では長期金利に低下圧力がかかりやすいと予想されている。日本銀行が指し値オペの実施に踏み切り、金利上昇を抑制する姿勢を示したことが背景にある。一方、30年利付国債入札や日米首脳会談を控えて上値が限定的になるとの見方も出ている。

  パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長は、「日銀のイールドカーブコントロール(YCC)を守るという意思が確認された」とし、「YCCが維持されると考えるならば、10年金利の0.1%というのは当面の上限だろう」と指摘。「トランプリスクで海外金利も上がりにくくなっており、全体的な環境としては買われやすくなってきた」と話す。

  今週の新発10年物国債345回債利回りは0.08%で開始し、2日の10年利付国債入札が低調な結果になるとじりじりと売られ、3日には一時0.15%と昨年1月以来の水準まで上昇した。日銀が同日午後0時半に残存期間「5年超10年以下」を対象に指し値オペを実施すると、0.09%まで買い戻された。

  超長期債は軟調推移となり、新発20年債利回りは0.73%、新発30年債利回りは0.905%、新発40年債利回りは1.06%と、いずれも昨年2月以来の高水準を付けた。

  パインブリッジの松川氏は、「10年は守るけど超長期は守ってくれないのではないかという疑念が残る」とし、「週明けに見込まれるオペで増額があるかどうかが意識される」と言う。

  来週は財務省が7日に10年物物価連動国債、9日に30年物利付国債入札を行う。松川氏は、30年債入札について、「相当金利が上がっており、相場が安くなっている」とし、「10年が安定したら30年も買いやすくなるとみる。  

トランプ米大統領
トランプ米大統領
Bloomberg

  10日には米ワシントンで日米首脳会談が予定されている。トランプ大統領は1月31日、医療品メーカーとの会合で通貨切り下げで優位に立っている国があるなどとして、中国や日本がマーケットを手玉に取っていると発言した。

  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、「トランプ政策の具体的な内容を見ていかないといけない中で、日米首脳会談を控えて投資家は動きづらい面もある」と指摘した。

市場関係者の見方

*T
◎パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長
*トランプ大統領に対しては答えが出た。日銀のスタンスは変わらない
*日銀は国内の景気を良くするために、金利をターゲットにしている
*長期金利の予想レンジは0.05%~0.11%

◎岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジスト
*日銀の指し値オペで10年国債利回りの上昇はしばらく抑えられる
*来週は超長期国債についても利回り上昇を抑える姿勢を示すかが注目
*長期金利の予想レンジは0.07%~0.11%

◎JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長
*来週も引き続き、市場が日銀の緩和姿勢を試していく展開
*超長期ゾーンの指し値オペを実勢から離れた水準で打ってくる可能性ある
*長期金利の予想レンジは0.05%~0.15%

◎アムンディ・ジャパンの浜崎優市場経済調査部長
*金融政策の方向性をめぐって憶測が交錯し始めているが、景気に対する明るい見通し根底にある
*日銀は0%程度から跳ね上がらないように調節するが、目先0.05%からは下がりにくい
*長期金利の予想レンジは0.07%~0.15%
*T

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