前期(2016年3月期)に16年ぶりに総合商社の純利益で首位の座を明け渡した三菱商事が、今期(17年3月期)は再びトップに返り咲く見通しとなった。鉄鋼向けに使用される原料炭の価格高騰を主因に今期の連結純利益を4400億円に上方修正した。前期に初の商社トップとなった伊藤忠商事は非資源分野の利益を伸ばして過去最高益の更新を見込むものの、三菱商の水準には届かない。

  三菱商は従来予想の3300億円から大幅に上方修正した。700億円を見込んでいた金属分野の純利益が豪石炭事業での大幅な利益上振れを主因に1500億円へと拡大する。豪石炭事業の16年4-12月期の損益は前年同期の220億円の損失から1070億円の利益へと1290億円改善。生産コストの削減で300億円、市況上昇で約1300億円のそれぞれ増益要因があった。

  増一行・最高財務責任者(CFO)は「昨年11月時点がピークと想定していた原料炭価格がその後さらに上昇したことが今回の上方修正につながった」と説明。その上で「安定収益を非資源で稼ぎつつ、資源高騰の恩恵を享受できる弊社の構えと総合力が発揮された決算」と振り返った。

  非資源分野では船舶事業で減損損失や引当金計上によって310億円の関連損失を計上した。海運市況の低迷を受けて、業績への市況変動リスクを軽減するため保有船舶の縮小を決めたことなどに伴う。一方、鮭鱒市況の回復で養殖事業が好調だった生活産業部門の利益は拡大した。

  伊藤忠は純利益予想を前期比46%増の3500億円に据え置いた。16年4-12月期の純利益は前年同期比6.9%増の3003億円と過去最高を更新。青果物を取り扱うドール・インターナショナル・ホールディングスの業績が改善するなど食料部門が好調だったほか、中国政府系複合企業の中国中信集団(CITIC)グループからの持ち分法利益も貢献した。

  通期計画の3500億円に対する進ちょく率は86%に達した。鉢村剛CFOは「4000億円に近い数字が出てくる勢い」で第3四半期までは進んでいると説明。「大きな懸念案件はない状況で、史上最高益の3500億円はほぼ手中に入っている。第4四半期はプラスアルファをどれだけ目指せるかが課題になる」と述べた。

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