通貨を切り下げ貿易上の優位を不当に得ている国があるとするトランプ米政権の主張を受けて金融市場では、次に矢面に立たされるのはどこかという疑問が広がっている。

  ピーターソン国際経済研究所(PIIE)のシニアフェロー、ウィリアム・クライン氏によると、カナダとメキシコ、韓国さえも為替相場をめぐる批判にさらされる可能性があるという。これらの国が米国の貿易相手国の上位を占めるためで、韓国の場合は通貨が6%過小評価されていると同研究所は分析する。

  クライン氏は1日、「他にどこがリストに上るだろうか。まずは米国の貿易により重要な主要国だ。大部分のエコノミストはこれらの国が不公正だとの見方に賛同しないと思うが、この種の攻撃が暗に伝えるのはこうした結論だ」と指摘した。

  トランプ米大統領と政権幹部はここ数日、中国や日本、ドイツが通貨切り下げを通じて貿易上優位に立つ一方でドルは強過ぎると指摘しており、ドル相場の先行きを曇らせている。トランプ氏の大統領選勝利以降のドル上昇は過去5週間の下落で半分以上押し戻されている。

  PGIMフィクスト・インカムのマネーマネジャー、ロバート・ティップ氏は「これは完全に一からやり直すアプローチだ。これが貿易面での再交渉に向けた先制攻撃となるのか、あるいは破壊的な貿易戦争に向かう最初の一撃になるのか、われわれには分からない。誰もわざと負けることはしない」と述べた。

  クライン氏の昨年11月の研究では、ドルは7.9%過大評価だと試算された。ドルの強さは他国を上回る米国の景気回復に起因するという。カナダ・ドルとメキシコ・ペソはいずれも0.3%過大評価である一方、ドイツで使用されるユーロは0.8%の過大評価。中国人民元は0.7%の過大評価だった。クライン氏は円について3.3%という「控えめな」過小評価と試算した一方、韓国ウォンは6%の過小評価だとしている。

原題:As Cheaters Abound in Trump’s FX World, Traders Mull Who’s Next(抜粋)

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