3日午後の東京外国為替市場ではドル・円相場が反発。日本銀行が指し値オペで長期金利の上昇を抑制する姿勢を示したため、円売りが強まった。この日は日銀の金融調節をめぐり、朝方から国債利回りと共に為替も上下に振れる展開となった。

  午後3時3分現在のドル・円は前日比0.3%高の1ドル=113円08銭。円金利の上昇を背景に午前に112円51銭まで円高が進んでいたが、午後0時半に指し値オペが通知されると一時113円23銭まで円安に振れた。円は主要16通貨に対して全面安となっている。

  大和証券投資戦略部の石月幸雄シニア為替ストラテジストは、「伝家の宝刀の指し値オペを案外簡単に抜いた印象。もっとも、日米金利差拡大で円安・ドル高というシナリオは、日銀の政策で日本の長期金利はほぼ固定化されるということが前提。米国金利と一緒に上がったら意味がない」と指摘。「円安誘導の批判を恐れて何もできないと、これまでの政策が為替目当てだったことを白状するようなもの。為替と関係なく淡々とやる姿勢が重要」と話した。

 
  日銀金融市場局はこの日の指し値オペについて、長期金利が急激に上昇していることを踏まえ、10年物国債金利を操作目標である0%程度とする金融市場調節方針をしっかりと実現するよう実施したとコメントした。長期ゾーンを対象とした指し値オペは今回が初めて。

  日銀は午前通知の金融調節で5-10年以下の買い入れ額を4500億円と2月初回予定の4100億円から増額したが、債券市場は失望売りで反応。10年国債利回りは1年ぶりの高水準となる0.15%まで上昇していた。指し値オペ通知後は0.095%まで低下した。

  みずほ証券の鈴木健吾チーフFXストラテジストは 、市場では安倍首相の訪米前で日銀は動けないのではないかとの見方もあり、午後の指し値オペ通知で「金利のコントロールは本気でやるんだということで見直されているのだろう」と説明。113円台はいったん戻り売りも出てくるが、米雇用統計に対する期待もあるため、114円手前ぐらいまでは上昇余地があるとの見方を示した。

  トランプ米大統領は今週、医薬品メーカーとの会合でマーケットを手玉にとり、通貨切り下げで優位に立っているとして中国とともに日本を名指して批判。日本政府は「円安誘導との批判は当たらない」と反論する一方、安倍首相が国会で米国の雇用創出やインフラ設備に協力する姿勢を表明するなど対応に追われた。安倍首相は10日にトランプ大統領と会談する。

  ブルームバーグがまとめたエコノミスト調査によると、3日発表の1月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比18万人増(12月は15万6000人増)、失業率は12月と同じ4.7%の見込み。平均時給は前年同月比で2.8%増(12月は2.9%増)が予想されている。

  三菱UFJ信託銀行資金為替部・戦略トレーディング課の池島俊太郎課長は、ドル・円について、「後は円債を売りたい人がどれくらい残っているかだろう」と指摘。「円金利が上がっていくと思う人が多くいれば、米雇用統計を受けてドル・円が上昇しても戻り売りの場になってしまう」と語った。

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