2月2週(6ー10日)の日本株は上値の重い展開が予想される。トランプ米新政権の為替や貿易政策に対する不透明感から、日米首脳会談まで様子見ムードが続きそう。企業決算は引き続きポジティブなケースが多いと予想され、業績評価が相場を支える見込み。

  トランプ大統領の発言や大統領令をめぐる混乱が市場に影を落とすなか、攻撃の矛先がついに日本の円安に及び、円相場は1ドル=110円台前半で高止まりしつつある。米政権は通商交渉を2国間で行う姿勢を明確にしているだけに、10日の日米首脳会談で米国から為替などでどのような要求が出るのか、警戒される。為替に焦点が当たれば日本銀行の金融政策の枠組みにも影響しかねないだけに、国内金利の不安定さも気がかりだ。

  米政策や円高への警戒が根強い中でも、良好なファンダメンタルズが株価を支えそう。米国では米供給管理協会(ISM)製造業景況指数など堅調な経済指標が続いており、実体経済の足取りはしっかりしているとの見方が大勢。米国株は大崩れする可能性が低い上、国内でも企業決算は良好と受け止められている。下がった場面では株価の割安感に着目した買いも入りやすい。

  海外では7日に米貿易統計、10日に中国の貿易収支が発表される。国内では決算発表がなお注目され、6日のトヨタ自動車や三菱地所、7日のNTTデータ、8日のソフトバンクグループなどが予定。なかでもトヨタは、トランプ大統領が名指しで批判したこともあり、業績とともに米国市場に関する何らかの見解を示せば市場全体のセンチメントに影響しそう。このほか、10日には株価指数オプション2月限の特別清算値(SQ)が算出される。第1週の日経平均株価は週間で2.8%(549円)安の1万8918円と、昨年11月以降のトランプ相場で最大の下落率だった。

≪市場関係者の見方≫
アセットマネジメントOne運用本部調査グループの中野貴比呂ストラテジスト
  「日経平均は1万9000円をはさんでもみ合うだろう。トランプ大統領の入国禁止措置などの混乱から、意図する政策の実効性やスピードに不透明感が出ている。為替は中長期的にドル高が予想されるにしても、短期的には米政権の円安けん制から円安が進みづらい。海外投資家は足元の円高によって日本株を選好する理由が薄れている。為替に関して日銀の金融緩和が標的にされればデフレ脱却が遠のきかねない」

ベイビュー・アセット・マネジメントの佐久間康郎執行役員
  「調整含みとなりそうだ。トランプ大統領の就任までは高揚感で株価が上がってきたが、今はむしろリスクを織り込む動き。米政権の為替・通商政策が不透明で、日米金利差が拡大しドル高円安の方向性が見えているなかで、トランプ大統領のドル高けん制発言にどの程度反応すべきなのか市場は迷っている。円安が進まない中では日本株を買い上がる投資主体である海外勢が日本株を買う理由に乏しい。第3四半期決算は玉石混交。日経平均の予想レンジは1万8300-1万9200円」

レオス・キャピタルワークスの岡田雄大トレーディング部長
  「弱含みを想定している。日米首脳会談でどちらが主導権を握るのかを確認したい。日米中の貿易統計も注目材料。米国の巨額貿易赤字に不満を示すトランプ大統領がネガティブな発言をする可能性があり、リスクを取りにくい。トランプラリー一巡後の日本株の調整はドル・円に比べ小さく、高値警戒感からリスクヘッジの動きが出て当然。1ドル=110円への円高が強く意識されるようになれば、日経平均は1万8300円程度まで調整する可能性もある」

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