ホンダは収益が回復方向になっており、今期(2017年3月期)の業績予想を上方修正した。為替相場を対ドルで円安方向に見直したほか、コスト削減なども寄与する。純利益は5450億円の見通しで、市場予想を上回った。

  3日発表の決算資料によると、今期の純利益予想は前期比58%増で、従来は4150億円だった。営業利益は従来の6500億円から同56%増の7850億円に、売上高が同13兆4000億円から同5.5%減の13兆8000億円にそれぞれ予想を見直した。ブルームバーグが集計したアナリスト19人の純利益予想の平均は5403億円だった。

  業績予想を上方修正したのは、円安やコスト削減などが主因だ。今期の為替前提は対ドルで従来の103円から107円に見直すなど、従来予想比で為替影響が710億円のプラス要因となる。コスト削減効果も同320億円、販売管理費の減少でも同610億円の利益押し上げ効果になる。

  ホンダの倉石誠司副社長は都内の決算会見で、収益が回復方向にあることについて、主力車の「シビック」や「CR-V」などの新型モデル販売が各地域で好調であることや、課題だった工場の稼働率も9割以上まで向上していることがあると指摘した。主力の米国市場は「下り坂に向かっていく」と述べながらも、ホンダ車の販売は横ばい水準を維持する計画という。

  今期のグループ世界販売計画は、自動車で従来の498万台から500万5000台に見直した。日本で若干の引き下げとなったが、アジアで引き上げたことが寄与する。二輪車は同1827万台から1770万台に修正し、主にアジアで引き下げたことが響く。

  昨年10ー12月期決算は、純利益が前年同期比36%増の1688億円となるなど、大幅増益だった。為替影響で減収となったが、品質関連費用を含む販売管理費の減少やコスト削減効果が寄与した。ブルームバーグのデータによると、昨年10-12月の為替相場は対ドルの平均値で110円近くと、前年同期に比べ12円近い円高となっていた。

トランプショック

  米国ではトランプ大統領が国内雇用を重視する立場から、域内貿易に関税がかからない北米自由貿易協定(NAFTA)を見直す方針を示している。倉石副社長は、メキシコ生産の製品に高関税をかけられた場合は「対応せざるを得ない」と述べ、「何がベストか考えて対応していく」と話した。米国では生産のみならず開発も現地主導であり、「今後も変わらない」と述べた。米国での現地生産比率は7割程度と、米フォード・モーターに次ぐ高さと話した。

  トランプ大統領が日米の自動車貿易が不均衡で不公正と問題視していることに関連し、倉石副社長は、10日に予定されている日米首脳会談ではトランプ氏の誤解を解いて、現実を正確に理解してもらいたいと話した。

  為替相場について、倉石副社長は「安定が一番だが、動いた段階で何がベストか考える」と述べ、「基本はできるだけ現地で生産すること」と語った。米国を主力市場とするホンダは米国のほか、カナダやメキシコにも工場を持っており、主力モデルを生産している。

  一方、エアバッグ問題を抱えるタカタの経営再建策について、倉石副社長は安定供給を大前提に進めてもらいたいと述べるにとどめた。タカタの出資者(スポンサー)候補であるスウェーデンのオートリブは2日の決算発表で、ジャン・カールソン最高経営責任者(CEO)が「この再建に関心がある」ことは事実としながらも、最終的には自動車メーカーの決断となるという見方を示していた。

  国内の大手自動車メーカーの決算予定では、トヨタ自動車が6日、日産自動車は9日にそれぞれ発表する。

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