3日の東京株式相場は小幅反発。為替の円高一服や良好な企業決算が相次ぎ、株価を押し上げた。決算評価で非鉄株が買われ、国内金利の高止まりから銀行など金融株も高い。半面、米国の重要指標の発表を前に上値を買う動きは乏しく、情報・通信や陸運、小売など内需関連の一角は安い。

  TOPIXの終値は前日比4.58ポイント(0.3%)高の1514.99、日経平均株価は3円62銭(0.02%)高の1万8918円20銭。

  水戸証券投資顧問部の酒井一ファンドマネジャーは「足元の金利上昇を止める意思があるのかと市場が考えていたところで日本銀行がオペを指示したため、ひとまず金利上昇懸念は後退した」と指摘。ただ、トランプ米大統領との交渉を控えて「何らかの要求が出てくる可能性も完全には否定できない。きょうに限っては良いが、リスクはまだ少し残る」とも話していた。

東証内の株価ボードを見る見学者
東証内の株価ボードを見る見学者
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  きょうの債券市場では午前に10年債利回りが0.15%と1年ぶりの水準まで上昇したが、午後になって日銀が固定利回りで無制限に買い入れる指し値オペを実施。その結果、10年債利回りは低下し、為替市場ではドル・円が1ドル=113円付近で推移した。昨日の円高値112円06銭や東京株式市場の2日通常取引終了時点の112円56銭に比べて円高の勢いは一服した。

  昨日と同様に債券市場の動向を横目でにらみながら、この日の株価指数はプラス圏とマイナス圏を行き来した。SMBCフレンド証券投資情報部の中村晋二チーフストラテジストは、日米首脳会談を控えて金利の上昇に歯止めがかからない局面では「イールドカーブコントロールの上限が分からなくなり、金融緩和縮小の思惑」も出やすかったためとみる。業種別で上げの目立った金融では「銀行株は利ざや改善、保険株は運用益改善への期待を先取りした動きが出た」という。

  そうした中、企業業績に対する評価が終始株価指数を支えた。週ベースで今週が発表のピークとなる2016年10ー12月期決算では、事前予想を上回る良好な結果が相次いでいる。「決算では大きな業績予想の下方修正が出ておらず、予想1株利益も上昇している。年初から円高の中でもファンダメンタルズ的には堅調」と、SMBCフ証の中村氏。2日発表分では半導体事業の回復が確認されたソニー、通期営業利益予想を増額した住友電気工業、業績の底堅さを示したダイセル、17年12月期営業利益計画が市場予想を上回った花王などが上昇。住友電工が貢献し、非鉄金属は東証1部業種別上昇率首位だった。

  もっとも、米重要指標を前に上値も限定的だった。ブルームバーグが集計したエコノミスト予想によると、3日に発表される米雇用統計での非農業部門雇用者数は18万人増(前回15万6000人増)、平均時給は前月比0.3%増(同0.4%増)、失業率は変わらずの4.7%が見込まれている。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の鮎貝正弘シニア投資ストラテジストは「FOMCで3月利上げが読み取れる動きが無かったことで、もう一度早期利上げ観測の流れが復活してくるかがポイント」とし、仮に雇用者数と賃金が予想通りか予想を下回れば、1ドル=112円台割れを再び試すような円高と日本株の売りにつながりかねないと懸念していた。

  東証33業種では非鉄や銀行、医薬品、パルプ・紙、食料品、電機など19業種が上昇。空運、ゴム製品、陸運、卸売、情報・通信、鉄鋼など14業種は下落。東証1部売買代金上位ではゲームアプリ「ファイアーエムブレム ヒーローズ」がダウンロード数で首位となった任天堂が高い。業績失望のKDDIや神戸製鋼所は安い。東証1部売買高は概算21億1697万株、売買代金は同2兆6288億円。値上がり銘柄数は996、値下がりは854。

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