トランプ米大統領が金融規制改革法(ドッド・フランク法)について約束している「思い切った対応」への大きな障壁は民主党議員の反対だ。そこで共和党議員らは同法の一部撤廃に民主党議員の賛成票を一切必要としない奥の手を考えている。

  両党の議席差が小さい上院では、たいていの法案は可決のために60票の賛成を要する。しかし共和党が検討しているのは、単純過半数の51票でこれを通過させる策だ。財政調整措置として知られる複雑な手法を活用する。この措置は財政調整法に準拠したもの。

米連邦議会議事堂
米連邦議会議事堂
Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

  そのためには金融規制が政府財政の負担になっていることを示さなければならない。例えば、ヘッジファンドが規制を免除されると政府の歳出が減ると立証したり、経営破綻した金融機関を米財務省が救済しなければ、米国の財政状況が改善されると証明したりすることが考えられる。

  この戦略は既に、医療保険制度改革法(オバマケア)の撤廃に向けて使われているが、下院金融委員会のヘンサリング委員長ら共和党有力議員は、2010年成立のドッド・フランク法の一部に対してもこれが利用できると考えている。

  連邦支出への直接的な影響を示す必要があるため、同法のうち共和党が撤廃できる部分は限定されている。だが、両党が法案で妥結できる見通しは後退しており、財政調整措置は「魅力的な選択肢」の一つだと、キーフ・ブリュイエット・アンド・ウッズ(KBW)のアナリスト、ブライアン・ガードナー氏は1日の顧客向けリポートで指摘した。

  ヘンサリング委員長を中心とする下院議員らは数週内にドッド・フランク法変更の法案を提出する計画だと、共和党議員らが述べている。同委員長の法案が下院で可決されないか、上院で頓挫した場合、同党は財政調整措置の活用に訴える可能性がある。

  財政調整措置の活用は財政赤字削減を目的とし、上下両院で複数のプロセスを要する。議員が法案に盛り込める内容には制限がある。現在の議会内の勢力では、共和党は下院での法案可決に支障がないものの、上院では定数100のうち同党の議席は52のため難しい対応を迫られる。

原題:Plan B for Trump’s ‘Big Number’ on Dodd-Frank Bypasses Democrats(抜粋)

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