イングランド銀行のカーニー総裁は、欧州連合(EU)離脱手続きを正式に開始した後に予想外の事態が待ち受けている可能性はなおあると警告し、同行は必要に応じて対応する用意があると表明した。

  総裁は2日、政策決定後の記者会見で「離脱の道のりはまだ始まったばかりだ。方向は明らかだが途中に紆余曲折はあるだろう」とし、金融政策について「いずれの方向のシナリオも想定できる」と指摘した。

  イングランド銀は経済成長率の見通しを上方修正した。見通し引き上げは昨年6月の国民投票で欧州連合(EU)離脱が決定されて以後で2回目。金融政策委員会(MPC)の一部メンバーがインフレ加速についての懸念を強めていることも明らかにした。

  拡張的な財政政策、堅調な個人消費、世界的な環境改善が予想を上回る成長を支える一方で、EU離脱が最終的に英経済に打撃を与えるリスクもある。MPCは今年の成長率予想を2%と、昨年11月時点の1.4%から再び引き上げたが、カーニー総裁は「見通し上方修正は国民投票がそれなりの影響をもたらさないということではない」とくぎを刺した。

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  堅調な景気拡大とインフレ率上昇を受けてMPCは、中銀目標の2%を超えるインフレの容認には限度があると重ねて表明した。一部メンバーはインフレ率が「許容範囲の上限に近づいている」との認識を示した。インフレ率は今年を通じて上昇し、2018年に2.8%でピークを付けると予想されている。

  「成長加速と賃金の伸びが想定を上回ったり、消費が年内に減速しなかったりした場合は、金利の調整があるだろう」とカーニー総裁は述べた。この日は政策金利を過去最低の0.25%で据え置き、債券購入プログラムの規模も維持した。経済のスラックはこれまでの想定よりも大きく、失業率はインフレを生じさせることなくさらに低下することが可能だとの見解も示した。

  インフレ率の見通しは今年平均2.7%。18年が2.6%とし、昨年11月時点の予想をほぼ据え置いた。19年には2.4%に低下すると見込む。この予想は策定時点で市場が織り込んでいた19年序盤の利上げが前提。

  インフレ上昇には、国民投票以降15%下落したポンド相場が寄与している。ポンドは昨年11月の時点からは3%上昇し、インフレ圧力はやや後退したが、当局者らはEU離脱の詳細が明らかになるに伴い為替相場のボラティリティが高まる公算が大きいと指摘。従来の想定ほどではないものの、インフレは消費に影響するとみている。労働市場については楽観を強め、失業率予想を0.5ポイント引き下げた。

原題:BOE Sees Stronger Growth as Some Officials Flag Inflation Unease(抜粋)
Carney Braces for Brexit Twists as Inflation Unease Grows (1)

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