日本銀行の長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)の対象としている長期金利が上限と目されていた水準を上回ったことを受けて、債券市場では3日に実施見込みの金融調節に注目が集まっている。

  長期金利の指標となる新発10年国債利回りはこの日、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値を2.5ベーシスポイント(bp)上回る0.115%まで上昇した。10年債入札が低調な結果を嫌気して強まった売り圧力は、新発債利回りが日銀のマイナス金利政策導入を決めた2016年1月29日以来の高い水準を付けるきっかけとなった。

  三菱UFJ国際投信の加藤章夫トレーディング部長は、「10年債利回りが上がり始めた直接的なきっかけは10年債入札が弱めだったこと」と説明。ただ、「その後、金利が上昇する中で指し値オペも何もないということで、0.1%をサポートする日銀の意思が感じられなかったことが影響しているだろう」と話した。

  日銀はイールドカーブ・コントロール下で、長期金利をゼロ%程度に誘導する目標を示している。操作に踏み切る決め手は0%を中心にマイナス0.1%が下限、プラス0.1%が上限というのが多くの市場関係者の見立だ。昨年9月下旬にマイナス0.09%まで低下した際は長期債ゾーンの国債買い入れオペが減額され、過度な金利低下にブレーキがかかった。一方、今年1月26日に0.09%まで上昇すると、新しい金融緩和の枠組み導入後で初めて増額している。

  三菱UFJ国際投信の加藤氏は、「これからはある程度プラス二桁ベーシスを容認し、プラスマイナス10bpの上限拡大を認めるということで、これまの前提が崩れることになる。どこまで上振れを容認するかということで、日銀の意思を確認する意味で、明日のオペが注目される」と話す。 

黒田東彦日本銀行総裁
黒田東彦日本銀行総裁
Bloomberg

  超長期を中心に債券が大きく売られ、イールドカーブの傾斜化が長期ゾーンにまで及び始めた先週は、長期ゾーンの国債買い入れが増額されたものの、当面の長期国債買い入れ運営方針では、2月初回オペの買い入れ額を1月当初計画の4100億円に戻した。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊シニア債券ストラテジストは、3日の日銀オペで今月初回に当たる残存期間5年超10年以下のオペが入れば、買い入れ額は4100億円程度の見通しだとしながらも、「増額される可能性も残る」と指摘した。「やろうと思えば指し値オペもできる。マーケットは疑念持ちつつも、しかるべきところでは止められるだろうという相場観は共有されている」と話した。  

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