米トランプ政権の発足で日本の株式市場の先行きに不透明感が強まっているにもかかわらず、今後2-3カ月は昨年からの強気相場が続くと、国内首位のヘッジファンドの助言者はみている。金融株や電機・化学・機械などの景気敏感株が有力だとしている。

  「UMJガレーラファンド」に助言するガレーラ・インベストメントの下田司氏は、日本株について「トランプ氏の影響で今年もボラタイルになるだろうが、その影響を除いても良くなって来ている」と話し、今春までは上振れする確率が高いという。昨年末にかけての円安進行を背景に、日本企業の第3四半期や通期業績は会社予想よりも良い結果になるとの見通しだ。

  ただ、米国株は8年間上昇基調にあり、日本株は「米国株の暴落か円高なのか何が契機になるかは分からないが、どこかのタイミングで調整すると思う」と予想。その場合は景気敏感株よりも、食料や医薬などのディフェンシブ銘柄、建設などの内需関連株が選好されると見込む。

  今後のドル・円相場については「1ドル=120円近くはあるかもしれないが、そうこうして株が調整しているうちに円高に行く可能性がある」との見方を示した。

  トランプ氏は1月の大統領就任以降、「アメリカ第一主義」を掲げて矢継ぎ早に通商政策の転換を示している。環太平洋連携協定(TPP)を離脱する大統領令に署名したほか、日本を名指しして自動車貿易の不均衡を問題視する発言をした。また、為替相場についても、「通貨切り下げで優位に立っている国がある」などとして、日本や中国を名指しで批判。日本株は昨年11月の米大統領選以降、上昇してきたが、年明け以降は調整色を強めている。

  ブルームバーグの集計では、同ファンドは2016年に18.7%(米ドル建て)の運用収益を上げ、日本に焦点を当てたヘッジファンドで首位。シンガポールの調査会社ユーレカヘッジによると、2016年の日本ヘッジファンド指数はプラス0.64%、同期間の東証株価指数の騰落率はマイナス1.9%だった。

  同ファンドは3-6カ月の中期トレンドを重視する方針で、昨年は割安株を中心に保有し、年後半のバリュー株が優位な相場環境が奏功。日立ハイテクノロジーズや、扶桑化学工業など半導体製造装置関連株が寄与した。16年末の運用額は約47億円、今年1月の収益は2%程度のプラスとなっている。
  

ボラティリティ

  東海東京インベストメント・マネジメント・シンガポールの澤田憲一チーフ・インベストメント・オフィサーも「日本の市場にとっては非常に好環境が続く可能性が高い」と予想するが、トランプ大統領のちょっとした発言やニュースで市場は大きく動き「ボラティリティはどこかで高まる」と指摘する。同氏が運用する東海東京ジャパン・フェニックス・ファンドの16年の運用収益は5.4%、運用額は約30億円だった。

  澤田氏は、市場が不安定になれば、他の投資家がポートフォリオをリバランスする際に、株価の行きすぎが発生し収益機会となるため、「状況によっては昨年よりはチャンスが大きい可能性がある」と話す。特に、日々為替が動くたびに株価も動くため、「輸出関連はチャンスが多い」と見ている。

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