メキシコ国外に暮らす労働者による本国への送金は昨年、過去最高に達した。米大統領選でドナルド・トランプ氏が選出されたのを受け、国境の壁建設費用をメキシコに支払わせるため米国が送金を阻止するとの懸念が強まったためだ。

  メキシコ中央銀行の1日の発表によれば、送金は昨年12月に前年比6%増の23億4000万ドル(約2640億円)と、ホリデーシーズンで過去最高を記録した。2016年通期の送金は270億ドルで、これまで最高だった07年を上回った。12月の伸びはブルームバーグが集計したエコノミスト予想中央値の11%増を下回った。トランプ氏の当選直後の11月は25%増加した。

  16年の選挙戦中にトランプ氏は、不法移民の流入を阻止する100億ドルの国境壁建設の費用をメキシコに負担させるため、送金を阻止する案を提示していた。こうした送金は、米カリフォルニア州やメーン州などの調理場や建設現場で働く親類を頼りにするメキシコの貧困層世帯や地域社会にとって生命線となっている。送金は米国からが圧倒的割合を占め、近年はメキシコの国内総生産(GDP)の約2%に相当し、原油収入を上回り、外国からの直接投資と肩を並べている。

  多国籍企業にメキシコ関連の助言サービスを行うエカナルの経営者で独立系エコノミストのロヘリオ・ラミレス・デ・ラ・オ氏は「送金への課税や規制の可能性に関するトランプ氏の発言の影響があったのは間違いない。送金に対する脅威があれば、労働者はそれに先行しようとより多く送るだろう」と述べた。

  

原題:Fear of Trump Move Drives Cash Transfers to Mexico to Record (1)(抜粋)

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