空売り投資家アンドルー・レフト氏は1年余り前にカナダの医薬品メーカー、バリアント・ファーマシューティカルズ・インターナショナルを標的にしたが、調査会社シトロン・リサーチを率いる同氏が現在照準を定めているのは、米航空機部品メーカー持ち株会社のトランスダイムおよび同社創業者で最高経営責任者(CEO)のニコラス・ハウリー氏だ。

アンドルー・レフト氏
アンドルー・レフト氏
Photographer: Patrick T. Fallon/Bloomberg

  レフト氏によれば、トランスダイムは第2のバリアント。過去10年で株価が1500%を上回るリターンを上げ、ハウリー氏の幹部報酬が米産業界でも屈指の高さとなった理由として、バリアント同様の価格つり上げと借り入れで買収を繰り返す手法をレフトは挙げる。ハウリー氏が過去5年に得た報酬は2億7800万ドル(約310億円)。企業規模がトランスダイムの30倍のボーイングのCEOの報酬の倍以上だ。

  レフト氏はブルームバーグに対し、「優秀であるのとクレージーであるのは紙一重だ。うまくいってる間は優秀でも、駄目になれば無責任ということになる」と話した。

  こうしたレフト氏の主張に、トランスダイムに長期投資する株主やウォール街は概して反発している。同社の最高財務責任者を15年務め、その成長モデルを構築した一員でもあるグレッグ・ルフス氏もその1人。昨年9月に引退した同氏は、レフト氏が「目の前にいたら警告するところだ。トランスダイムとバリアントは全く違う」と述べた。

  トランスダイムとハウリーCEOに繰り返しコメントを求めたが、ともに返答を控えた。

  シトロンが1月20日にトランスダイムに関するリポートを発表してから、同社株は13%下落。借り換え合意が遅れる事態が起きた。

  同社は規制当局から何ら不正を問われておらず、ウォール街でレフト氏に同調する向きはほとんどいない。1日終値が219.68ドルだったトランスダイム株は166ドル以下に下がるとレフト氏はみるが、アナリストらは向こう12カ月に300ドルに近づくと予想している。

原題:This CEO Made $278 Million. Andrew Left Wants to Take Him Down.(抜粋)

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