東京電力ホールディングスは2日、原子力発電用燃料の原料の購入契約を結んでいるカナダのウラン採掘会社カメコに対し、契約の解除を申し出たことを明らかにした。カメコは東電HDからの一方的な契約解除を了承しておらず、契約をめぐり両社の見解は対立している。

  東電HD広報担当の小林格氏は2日の電話取材で、両社間の売買契約には不可抗力に該当する事象が18カ月以上続いた場合には契約を解除できるとの条項があり、原発事故後に厳格化された新規制基準への対応により原子力発電所が18カ月以上稼働していないことが「不可抗力」に当たると判断し、解約をカメコに通知したことを明らかにした。

  小林氏によると、鉱石を製錬した粉末状の「イエローケーキ」と呼ばれるウラン精鉱をカメコから2009年に締結した売買契約に基づいて購入している。期間や年間の輸入量など契約の詳細については非開示としている。

  12年3月に柏崎刈羽原発6号機が停止して以来、東電HDは約5年にわたり1基も原発を稼働できていない。新たな規制基準に基づく原子力規制委員会の安全審査に合格していないためだ。また、立地自治体である新潟県の米山隆一知事は原発再稼働に慎重な姿勢を示しており、安全審査に合格しても再開は難航する可能性がある。震災後から停止している福島第二原発は福島県から廃炉要請を受けているが、同社は廃炉判断を先送りしている。

  カメコのティム・ギゼル社長兼CEOは1日の電話会議で、「東電HDは1月31日、契約解除する意向を表明するとともに、不可抗力を事由に2月1日に予定されている受け渡しを行わないよう当社に対し通知した」と話した。東電HDからの契約解除通知を根拠のないものだとして了承せず、契約不履行とみなして法的な手段で解決する方針を明らかにした。

  その上で、日本国内で原発の運転が禁止されているわけではないとし「ほかの電力会社が再稼働を果たしている中で、なぜ東電HDだけが規制を理由に不可抗力を宣言できるのかわからない」と述べた。

  カメコの発表によると、同契約に基づき東電HDには14年以降、220万ポンド(約1000トン)のウランを供給。今回の解約で、28年まで予定されていた計930万ポンド、金額にして13億カナダドル(約1100億円)のウラン販売が宙に浮くことになる。カメコの株価は1日、前日比11%安となった。

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