ソニー株は3日の取引で3カ月ぶり日中上昇率となった。同社は2日に今期(2017年3月期)の連結純利益予想を260億円(従来600億円)に下方修正したが、画像センサーなど半導体事業が好調だった。

  ソニー株は寄り付きから買われ、一時前日比5.8%高の3563円と昨年11月10日以来の日中上昇率となった。午前9時37分現在は5.2%高の3545円。

  同社は営業利益予想も2400億円(同2700億円)に下方修正したが、売上高予想は円安を背景に7兆6000億円(同7兆4000億円)に引き上げた。また今期の画像センサー売上高見通しを5400億円と、従来の4900億円から上方修正した。同時に発表した16年10ー12月期の連結純利益は196億円となり、市場予想の595億円を下回った。

  ソニーは1月30日、映画分野の営業権を減損処理し、1121億円を2016年10ー12月期に営業損失として計上すると発表した。市場の縮小の影響を受け、DVDなどの販売の収益見通しを引き下げたことが理由。成長領域と位置付けていた映画分野での減損は、ソニーに収益計画の立て直しを迫る結果となった。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の宮本武郎シニアアナリストはリポートで、今期の営業利益計画の下方修正は映画事業の減損発表時点で想定されていて驚きはないと指摘。その上で、「半導体事業の急回復は想定以上であり、来期営業利益5000億円の達成確度が高まってきている」との見方を示した。

  吉田憲一郎副社長は2日の記者会見で、映画事業について「重要な事業と認識している」とした上で、減損については「経営として大変重く受け止めている」と語った。

  「プレイステーション(PS)4」を中心にしたゲーム事業は好調を維持しており、PS4の累計実売台数は1月1日時点で5340万台を超えた。昨年10月には仮想現実(VR)端末の「PSVR」を発売している。テレビや携帯電話事業の不振に苦しんできたソニーだが赤字事業の処理にめどがつき、中期経営計画最終年となる来期は株主資本利益率(ROE)10%以上、営業利益5000億円以上を目標としている。

  また映画事業の減損に伴い、損益の改善と財務基盤の強化のため、医療情報サイトを運営する関連会社エムスリーの約1730万株を、ゴールドマン・サックス証券に520億円で売却することを決めた。17年1-3月期に約370億円の売却益を計上する見込み。譲渡後の所有割合は34%(従来は39%)となる。

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