米上院本会議は1日、次期国務長官に起用されたエクソンモービル前会長兼最高経営責任者(CEO)、レックス・ティラーソン氏の指名承認を賛成56、反対43の賛成多数で承認した。同氏に政府での職務経験はないが、世界中で何十億ドルものエネルギー関連取引の交渉に臨んだ豊富な経歴を持つ。

  投票結果はほぼ、上院での共和、民主両党の勢力図を反映した形となった。民主党はイスラム圏7カ国からの入国を制限するトランプ氏による米大統領令をめぐり、ティラーソン氏が見解を明らかにするまで承認手続きを遅らせるよう求めていた。

  この大統領令には世界各国の政府から批判の声が上がっており、ティラーソン氏は国務長官に就任して早々、この問題への対応を迫られることになる。

  上院では共和党議員がティラーソン氏について、時価総額で世界最大のエネルギー企業を率いてきた実績によって、米国の国益を海外で推進するのに必要な人脈と手腕を身に付けているとするトランプ大統領の見解に同調。民主党議員はこれに対し、41年に及ぶ同社での職歴の結果、ティラーソン氏の世界観は狭まり、利益相反もあると反論している。

  共和党のトム・コットン上院議員は指名承認の採決前の本会議審議でティラーソン氏に関し、「エクソンモービルCEOとして同社株主の利益を守ってきたのと同様に、国務長官として米国民の利益を守ると確信している」と語った。

  民主党が特に問題視してきたのは、2013年にロシアのプーチン大統領から「友好勲章」を授与されたティラーソン氏が同大統領に立ち向かって、米国の国益を主張するかどうかという点だ。同氏はプーチン政権との間で10億ドル(現行レートで約1130億円)に上るエネルギー探査プロジェクトを取りまとめたが、14年のロシアによるウクライナ南部クリミア半島侵略・併合を受けた米国の対ロ制裁により、同プロジェクトは凍結されている。

  民主党のエドワード・マーキー上院議員は1月31日の本会議審議で、「ティラーソン氏がロシアないし、エクソンモービルに絡んだ事案に臨む場合、同氏の客観性に米国民はどう確信を持てるというのか」と指摘。「ティラーソン氏はエクソン株を処分したかもしれないが、同社の思考から自由になっていない」と論じた。

原題:Former Exxon CEO Tillerson Confirmed as U.S. Secretary of State(抜粋)

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