ドイツのメルケル首相は、同国が貿易に有利になるよう為替相場を悪用しているとのトランプ米大統領の側近の指摘を否定した。欧州連合(EU)の首脳らは米新政権への対応に苦慮している。

  トランプ政権が新設した国家通商会議(NTC)のナバロ委員長は英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)に対し、ドイツの過剰な貿易黒字は通貨の「甚だしい過小評価」を意味するとコメント。メルケル首相は反論し、ユーロの為替レートは欧州中央銀行(ECB)の管轄であり、独政府はECBの独立性を長く支持してきたと説明した。

  メルケル首相は1月31日に訪問先のストックホルムで記者団に、「独政府はECBに対して影響力を行使することはなく、従って現状を私は変更できないし、したくもない」と発言。「ドイツは競争力ある製品の貿易を世界の市場で公正に行うため奮闘している」とも語った。

  EUでは、米新政権の貿易や移民、欧州統合、欧米間の長きにわたる経済・防衛関係に対する政策の方向性をめぐり不安が広がっている。EU域内に亀裂をもたらしかねないような発言が米国から聞こえる中、トゥスクEU大統領はEUの安定を脅かしかねない要因として米国を、ロシアと中国、テロに並べて挙げた。

  トゥスク大統領は「米新政権は過去70年の米外交政策を疑問視しているようにも見え、ワシントンの変化でEUは難しい状況に置かれている」と、2月3日のEU首脳会議を前に欧州首脳らに宛てた1月31日付の書簡に記した。

  英国にも不安は広がっている。トランプ氏が出した入国制限の米大統領令を受け、英国へのトランプ氏公式訪問の中止を求める嘆願書に署名した人は150万人を超えた。

原題:Trans-Atlantic Mood Worsens as Merkel Stands Up to Trump on Euro(抜粋)
原題:Trump’s ‘Worrying’ Declarations Make Future Unpredictable: Tusk  (原題)

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