1月31日の海外株式・債券・為替・商品市場

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欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:ドルが下落、トランプ米大統領の通貨発言で市場動揺

  31日のニューヨーク外国為替市場ではドルが下落。ブルームバーグ・ドル・スポット指数は昨年11月半ば以来の低水準を付けた。トランプ米大統領は他国が自国通貨の価値を押し下げていると主張した。この発言を受けて、ドルは下げ足を速めた。

  月末特有のポートフォリオリバランスに関連した動きも、ドルの下げを増幅した可能性がある。10年債利回りが2.43%前後のこの日の最低水準に下げると、ドルは下げ幅を広げた。

  ニューヨーク時間午後5時現在、ドルは円に対して前日比0.9%安の1ドル=112円80銭。対ユーロでは1%安の1ユーロ=1.0798ドル。主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.7%低下。

  トランプ米政権が新設した国家通商会議(NTC)のナバロ委員長がドイツはユーロの「甚だしい過小評価」を悪用して貿易での優位性を高めていると批判したことから、朝方の取引ではドル売りが先行した。メキシコ国境の壁建設表明に続き、移民制限の大統領令発令で不透明感が高まる中でこれらの発言が伝わったため、「トランプ・リフレ・トレード」の勢いは弱まりつつあるとの見方が強まった。

  ウニクレディトの外為戦略世界責任者、バシレイオス・ギオナキス氏はリポートで「米政権は為替レートを通商政策実行の基準点と考えている」と指摘、「ドル安政策へのシフトは自国通貨上昇につながりがちな関税設定と相いれない」として、31日の発言は矛盾でねじれた政策をさらに混乱させると述べた。
原題:Dollar Drops to Lowest Since November as Trump Rattles Markets(抜粋)
Trump Schools Dollar Bulls With Currencies for ‘Dummies’ Lesson

◎米国株:ダウ平均とS&P500種は続落、ナスダックはほぼ変わらず

  31日の米国株市場ではダウ工業株30種平均とS&P500種株価指数が続落した。ナスダック総合指数は前日比ほぼ変わらずで取引を終えた。

  S&P500種株価指数は0.1%未満下げて2278.87。ダウ平均は107ドル下げて19864ドルだった。トランプ米大統領が一部イスラム圏市民の入国を禁止する大統領令を出したことで、投資家の間では経済成長支援策よりも孤立主義的な政策が目立つ恐れがあるとの懸念が強まった。S&P500種は4日続落。昨年11月4日以来で最長の連続安となった。

  資本財・サービス銘柄は0.9%下落。金融や情報技術、素材銘柄も安い。これらは米大統領選挙後に大きく上昇した銘柄だった。一方、公益事業株、不動産株、ヘルスケア関連株はいずれも上昇した。

  S&P500種は過去4日間で0.8%安。1月は月間ベースで1.8%高と、3カ月連続でプラスだった。

  シカゴ・オプション取引所(CBOE)ボラティリティ指数(VIX)は0.9%上昇。前日は12%急伸した。月間ベースでは15%の低下となった。

  31日はエクソンモービルやファイザーなどが決算を発表した。S&P500種採用企業のうち四半期決算を既に発表したのは約3分の1。ブルームバーグのデータによると、このうち4分の3で利益が市場予想を上回り、約半数で売上高が市場予想を上回った。  
原題:U.S. Equities Mixed as Dow Ends Lower After S&P 500 Pares Losses(抜粋)

◎米国債:上昇、逃避の買い-トランプ大統領がドル・株安を誘発

  31日の米国債相場は上昇。利回りは1週間ぶり水準に下げた。他国は自国通貨の下落を誘導しているとのトランプ米大統領の発言を手がかりにドルが下げ、株価も圧迫された。これを背景に、米国債には逃避の買いが入った。

  ニューヨーク時間午後4時59分現在、10年債利回りは4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の2.45%。トランプ氏の発言とほぼ同時に1月のシカゴ製造業景況指数の予想外の低下が伝えられ、米国債の上昇は米東部時間午前9時45分ごろに加速した。

  それまではAT&Tによる30年、40年を含む大型起債計画に、米国債は30年債を中心に下げ圧力を受けていた。

  10年債利回りは一時5.7bp低下。デュレーション(平均残存期間)延長を目的とした月末特有の買いも、相場を押し上げた。

  米議会では政権人事に対する上院民主党の抵抗が強まっており、減税の実行遅延につながりかねないとの見方も、リスク敬遠の要因となった。

  5年債と30年債の利回り格差はこの日の最高からは縮小したが、なお前日比で拡大した。

  AT&Tの6本立て起債全体(100億ドル規模)のうち、60億ドル分が期間20-40年にわたっている。前日にはマイクロソフトが計170億ドル規模の起債を実施していた。
原題:Treasuries Rise as Trump Comments Spark Losses in Dollar, Stocks(抜粋)
Dollar Drops, Gold Gains as U.S. Stocks End Lower: Markets Wrap(抜粋)

◎NY金:続伸、トランプ米政権の動きで不透明感広がる

  31日のニューヨーク金先物相場は続伸。月間ベースでは昨年6月以来の大幅上昇となった。イスラム圏7カ国からの入国禁止やこれに反対した米司法長官代行の解任など、トランプ米大統領の動きをめぐり懸念が広がった。

  RJOフューチャーズ(シカゴ)のシニアマーケットストラテジスト、フィル・ストライブル氏は電話インタビューで、「米政権の最近の政策をめぐる不確実性や反感が強く、市場に不透明感をもたらしている。金市場は不意に活気を取り戻した」と指摘。「米金融当局は慎重姿勢をやや強める可能性がある。雇用を呼び戻すことと、デモや不安を引き起こすことは本来、全く別の問題のはずだ」と述べた。

  ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物4月限は前日比1.3%高の1オンス=1211.40ドルで終了。今月は5.2%の上昇と、中心限月の月間ベースでは英国の欧州連合(EU)離脱が決まった昨年6月以来の大幅な上げ。

  銀先物は一時2.8%高の17.635ドルと、昨年11月11日以来の高値。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のプラチナとパラジウム先物も上昇。
原題:Gold Gains as Trump Shocks Markets by Doing What He Said He’d Do(抜粋)

◎NY原油:反発、53ドル付近-ドル安支援も在庫増警戒が重し

  31日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物が反発し、53ドル付近で引けた。ドル安に押し上げられた一方で、米在庫増加を警戒した売りに上値を抑えられた。米エネルギー情報局(EIA)は2月1日に週間在庫統計を発表。ブルームバーグがまとめた調査では、300万バレルの増加が予想されている。

  フロスト&サリバン(ヒューストン)の石油・ガス担当ディレクター、 カール・ラリー氏は電話取材に対し、「ドルを材料に取引されていたが、市場の焦点は原油在庫に移った」と指摘。「メンテナンスの時期に入るため、在庫は恐らく高い数字になるだろう」と述べた。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物3月限は前日比18セント(0.34%)高い1バレル=52.81ドルで終了。一時は1.8%上昇して53.46ドルに達する場面もあった。ロンドンICEの北海ブレント3月限は47セント上昇の55.70ドル。
原題:Oil Closes Below $53 Amid Dollar Drop, Projected Supply Gain(抜粋)

◎欧州株:3日続落-米経済指標に失望、トランプ大統領の動きを注視

  31日の欧州株式相場は米株安につれ安し、3営業日続落。米経済指標が予想を下回る内容だったほか、貿易と移民に関するトランプ米大統領の最近の動きを見極めようとする動きが強まった。

  指標のストックス欧州600指数は前日比0.7%安の360.12と、年初来安値で引けた。銀行株と化学株が大きく下げた。1月の米消費者信頼感指数とシカゴ製造業景況指数の発表後、ストックス600は下げ幅を拡大した。

  ドナルド・トランプ氏の大統領選勝利を手掛かりに買われていた銘柄は、今週に入って下げに転じた。大統領就任後の政策で狼狽売りが出たためだ。

  ドイツ銀行のストラテジスト、ジム・リード氏はリポートで、「トランプ政権誕生から11日しか経っていないが、明らかになりつつあることが一点ある。市場が大統領の言動に揺さぶられ続けるということだ」と指摘した。
原題:European Stocks Deepen Losses on Disappointing U.S. Data, Trump(抜粋) 

◎欧州債:ギリシャ債が4日続落-支援策の検証作業の滞りを危惧

  31日の欧州債市場ではギリシャ国債が4営業日続落。一部投資家らが同国のデフォルト(債務不履行)リスクを軽視している可能性があるとの懸念が高まっている。

  同国債の2年物と10年物の利回りが大幅上昇した。ギリシャ政府が金融支援策に基づく次回融資の確保に向け、債権団と合意に近づいている兆候は見えていない。

  ギリシャのツァカロトス財務相と債権団との会合が26日に物別れとなって以来、同国資産は売られている。ユーロ離脱寸前まで追い込まれたギリシャは金融システム破綻回避に向け、2010年以降3回にわたる救済策と、欧州中央銀行(ECB )の支援受け入れを余儀なくされた。

  ロンドン時間午後4時38分現在、ギリシャ2年債利回りは前日比28.3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の8.93%。一時は70bp上昇の9.35%と、昨年6月27日以来の高水準を付けた。10年債利回りは20.2bp上げ7.81%となった。  

  一方、欧州債の指標とされるドイツ債は米国債につれ高となり、10年債利回りは1.7bp低下の0.43%。
原題:Greek Bond Yields Surge Amid Stalled Bailout Review, IMF Quarrel(抜粋)
Euro-Area Government Bonds End-of-Day Curves and Cross Spreads(抜粋)
Bund Futures Hit Day’s High Following USTs; Month-End Underpins(抜粋)

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