英国の欧州連合(EU)離脱でロンドンが犠牲になり、フランクフルトとダブリンが最大の勝ち組となりそうだ。銀行各行はロンドンに代わる金融センターとして業務の移転先を探している。

  英国のスタンダードチャータードとバークレイズは隣国アイルランドの首都ダブリンをEUの中心拠点として選びそうだ。事情に詳しい関係者が明らかにした。

  米ゴールドマン・サックス・グループと米シティグループ、英ロイズ・バンキング・グループは、フランクフルトを検討していると別の関係者が語った。

  メイ英首相は1月、EU単一市場を2019年に撤退する方針を表明。英国がEU域内で自由に金融商品やサービスを提供できる「パスポート制度」の権利を失えば、ロンドンでの金融業務が狭められることになる。

  フランクフルトには欧州中央銀行(ECB)やドイツ連邦金融監督庁(BaFin)があるほか、ドイツ銀行が本店を置く。アイルランドは税率の低さや英語が通じること、英国と似た法規制を持つことが強みだ。

  ロビー活動団体ザシティーUKによれば、全体で最大3万5000人の雇用が移転となる可能性がある。

  英HSBCホールディングスのスチュアート・ガリバー最高経営責任者 (CEO)は1月、ロンドン投資銀行収入の約20%に相当するトレーディング業務をパリに移す可能性があると語った。

  米モルガン・スタンレーの幹部は、英EU離脱で最大の恩恵にあずかるのはニューヨークだろうと指摘。米金融機関は恐らく欧州から従業員を移すだろうと話した。

  日本勢では、大和証券グループ本社の日比野隆司社長が30日の記者会見で、英EU離脱に対応するための新拠点の候補地としてフランクフルトやダブリンを挙げた。

  クレディ・スイス・グループはダブリンでの事業拡大を検討している。事情に詳しい関係者が先週話した。同行のノレーン・ドイル取締役は24日にダブリンで記者会見し、ロンドン代替地の検証は「初期段階」だと説明した。

原題:What the World’s Biggest Banks Say About Fleeing Brexit-Britain(抜粋)

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE