国内証券最大手の野村ホールディングスの10-12月の純利益は前年同期比99%増の703億円となった。ホールセール部門が利益を牽引。海外部門も好調で、税引き前利益は四半期としては2002年に現在の会計基準を採用して以来最高を記録した。

  野村が31日開示した10-12月(第3四半期)連結決算の収益合計は同2.2%増の4439億円。投資銀行業務手数料は同18.6%増の237億円、トレーディング損益は同3%増の1084億円に対し、委託・投信募集手数料は同15.7%減の863億円、アセットマネジメント業務手数料は同4.6%減の551億円だった。

  海外拠点の税引き前損益は、314億円の黒字(同199億円の赤字)となった。米州が174億円の黒字(前年同期は123億円の赤字)、欧州が21億円の黒字(同57億円の赤字)、アジア・オセアニアが119億円の黒字(同20億円の赤字)だった。野村は今期、海外事業の赤字体質解消に向け大規模な人員削減を行うなど再建を進めてきた。

  海外部門の好調について、北村巧財務統括責任者(CFO)は決算会見で「マーケット環境もあるが、選択と集中を加速させたこと」などが要因との認識を示した。永井浩二最高経営責任者(CEO)が昨年言及した今期の海外税前利益500億円については「十分視野に入っている」と述べた。実現すれば、通期では7年ぶりの黒字となる。

  ホールセール部門の好調も収益を押し上げた。ブルームバーグのデータによると野村は10-12月期の国内の株式関連の引き受け総額で首位。現時点で今年度最大の新規株式公開(IPO)であるJR九州を含む11案件で主幹事を務めた。同期間に完了した日本関連のM&Aビジネスは2位で、キヤノンによる東芝メディカルシステムズ買収、日本生命による三井生命の買収など27案件で助言した。

リテール

  一方、国内リテールに当たる営業部門の収益は前年同期比3%減の1013億円と横ばいだった。北村CFOは、個人顧客の動きについて「マーケット全体が『やれやれ売り』というか、12月に株価が上がった段階で一度損益を確定させたいニーズが強かった」と説明。投資マインドは改善しつつあり、英国の欧州連合(EU)離脱問題で株価が急落した昨年4-6月期を底に業績は回復傾向にあるとした。

  東京証券取引所によると、昨年10-12月の1日当たりの株式売買代金(第1部、2部、マザーズ合計)は約2兆8694億円と、前年同期(約2兆8207億円)からやや増えた。11月の米大統領選で積極財政論者のトランプ氏が選出され、同期間の日経平均株価は約16.2%上昇した。

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