債券相場は下落。日本銀行がこの日の金融政策決定会合で政策の現状維持を決めたことを受けて買いが優勢となった後、夕方の当面の長期国債買い入れ方針発表を控えて、警戒感から売りに転じた。

  31日の長期国債先物市場で中心限月3月物は前日比2銭安の149円91銭で取引を開始。正午過ぎに日銀が年間80兆円めどの長期国債買い入れペースを維持することなどが伝わると、一時150円00銭まで上昇した。その後は上値が抑えられ、結局は5銭安の149円88銭で引けた。

  野村証券の中島武信クオンツ・アナリストは、日銀会合について、「先週の材料からすると、どちらかというとテーパリング方向が意識されやすかった」とした上で、「据え置きということでいったん買われた」と説明。ただ、「黒田東彦総裁の記者会見や国債買い入れ方針をみないと今後どうなるかよくわからないということで、再び売られる展開になった」と話した。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の345回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値0.08%から横ばいで寄り付いた。その後0.5ベーシスポイント(bp)高い0.085%を付けている。 

日銀決定会合

日本銀行本店
日本銀行本店
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg via Getty Images

  日銀はこの日の会合で、昨年9月に導入した長短金利操作付き量的・質的金融緩和の枠組みによる金融調節方針の維持を決定した。

  金融調節方針は、誘導目標の長期金利(10年物国債金利)を「0%程度」、短期金利(日銀当座預金の一部に適用する政策金利)を「マイナス0.1%」といずれも据え置いたほか、長期国債買い入れ(保有残高の年間増加額)のめど「約80兆円」も維持。指数連動型上場投資信託(ETF)、不動産投資信託(J-REIT)の買い入れ方針も据え置いた。

  また、日銀は午後5時に当面の長期国債等の買い入れの運営方針を公表する。野村証の中島氏は、「残存期間5年超10年以下の買い入れ額が4500億円に増額されたが、このままだと発行額とほぼ同水準に高まってしまうため、戻される可能性が高い」と予想。「5-10年をこれ以上増やせない状況で、超長期を放置すると10年金利が引っ張られて0.1%を超えるリスクが出てくる」とし、「昨年12月下旬以降弱くなり続けていた超長期ゾーンが増額される可能性もある」とみる。

  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、「日銀会合は予想通りの結果。80兆円の数字も残った」と指摘。ただ、「夕方の国債買いオペの運営方針でどんでん返しされるリスクもなくはない」と述べた。

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