トランプ大統領が27日に署名したイスラム教徒が多数を占める国からの米入国禁止措置は、信教を判断材料に下された措置だろうか。この大統領令の合憲性が連邦裁判所で精査される際、問題の核心はそこになるだろう。回答が「イエス」であれば、信仰や表現、集会などの自由を定めた米国憲法修正第1条に反するかどうかが問われる可能性がありそうだ。

  これまでのところ、ニューヨークのブルックリン地区とボストン、バージニア州アレクサンドリア、シアトルの4連邦裁判所で、判事が大統領令の一部について一時差し止めを命じた。これらの暫定措置は憲法問題に深く立ち入った判断ではなく、該当する個人を強制送還やその他の政府措置から守ることを意図している。

  こうした個人の法的代理人が今後数日で法廷に戻り、本格的な主張を展開することになる。トランプ政権側も恐らく司法省の弁護士を送り込み、大統領令を弁護しようとするだろう。この論戦を受けて、それぞれの裁判所の判事はより綿密な判断を下す見通しだ。

  この大統領令はシリア難民の再定住を無期限で、その他の難民の再定住を120日間停止するとともに、イスラム教徒が国民の大多数を占めるシリアとイラク、イラン、スーダン、リビア、ソマリア、イエメンの7カ国の国民による米国入国を90日間禁止するものだ。

  スタンフォード大学のダン・シシリアーノ法学教授は「国籍による禁止であることは明らかで、事実上宗教の禁止だ」との認識を示す。その上で「米国には国籍に基づいた政策や措置を政府が取るべきではないと定めた法律がある」と指摘した。

  米最高裁は1982年の判決で、「ある宗教を他の宗教よりも公式に優遇することはできない」と憲法修正第1条の「国教条項に極めて明確に記されている」と説明している。

  一方、裁判所は最終的に大統領令を支持する可能性があるとみる専門家もいる。ジョージ・ワシントン大学のジョナサン・ターリー法学教授は、「あからさまなイスラム教禁止ではない」と述べ、裁判所は大統領令を宗教の禁止だと解釈しないだろうと予想。「7カ国の国民に入国制限を課したからと言って、世界の大多数のイスラム教徒は影響を受けない」と理由を説明した。
  

原題:Trump’s Immigration Ban Promises Constitutional Showdown (1)(抜粋)

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