欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:ドルが下落、米入国規制の大統領令で保護主義を警戒

  30日のニューヨーク外国為替市場でドルが対円などで下落。トランプ米大統領が27日に署名したイスラム圏7カ国市民の入国を禁止する大統領令や、それ以前に表明していた国境税を課す方針を受けて保護主義への懸念が強まり、ディフェンシブな動きが復活した。

  ドルは米国株とともに下落。世界的な株安となる中、米国債利回りの大半が低下した。

  ニューヨーク時間午後5時現在、ドルは円に対して前週末比1.2%安の1ドル=113円77銭。対ユーロではほぼ変わらずの1ユーロ=1.0695ドル。主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.3%低下。

  トランプ大統領の行動で、米企業の先行き不透明感が深まっている。米連邦公開市場委員会(FOMC)会合が31日から2日間の日程で始まるのを控えてドルは動きづらく、旧正月の祝日でなお休場の市場があるために商いは薄かったと、ロンドンや欧州、トロントのトレーダーが匿名を条件に話した。
  この日のドルの下げは、金融政策の先行きの違いに注目した先週後半からのドル上昇の反転だと言える。

  ドルは対円で一時、113円45銭まで下落した。S&P500種の下落につれて下げ、113円50銭をやや下回る水準で控えていた買いをこなして下げた。ロンドンのトレーダーによると、円はスイス・フランとともに逃避通貨としての需要から上昇した。

  ユーロは対ドルで一時1.0620ドルまで下げた。ドイツのインフレ指標が予想を下回ったことが売りを誘った。
原題:Dollar Drops as Trump’s Orders Rattle Markets; Pound Also Falls(抜粋)

◎米国株:下落、1カ月ぶりの大幅安-原油安でエネルギー株に売り

  30日の米国株は下落。世界的な株安の流れを引き継いだ。原油安を背景にエネルギー株が下落。トランプ米大統領が命じた一部の国を対象とした入国禁止に対し、世界的な反発が高まっている。

  S&P500種株価指数は前営業日比0.6%下げて2280.90。ダウ工業株30種平均は123ドル安の19971.13ドル。シカゴ・オプション取引所(CBOE)ボラティリティ指数(VIX)は12%上昇と、昨年11月以来で最も上げた。

  BB&Tインスティチューショナル・インベストメント・アドバイザーズ(ペンシルベニア州ワイオミッシング)の株式マネジングディレクター、テリー・モリス氏は「トランプ大統領はやや無鉄砲だというのが、大方の投資家の見方だ」と話す。「世界中で摩擦を起こし、不透明感をもたらしている」と続けた。

  この日のエネルギー株は1.8%安。ニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物が続落した。テクノロジーや金融銘柄も下落。S&P銀行株価指数は構成する17銘柄が全て売られた。

  トランプ大統領はイスラム圏7カ国の市民の入国を禁止する大統領令を出した。これに対し各国政府や企業が反対を表明している。特に多国籍企業は同大統領令が労働者や商業の自由な流れを阻止する脅威になると批判した。

  今週はアップルやエクソンモービル、ファイザーといったS&P500種採用企業が決算を発表する。S&P500種採用企業のうち四半期決算を既に発表したのは約3分の1。ブルームバーグのデータによると、このうち4分の3で利益が市場予想を上回り、約半数で売上高が市場予想を上回った。
原題:Energy Stocks Lead U.S. Market Down After Europe Shares Decline(抜粋)
Worst S&P 500 Drop Since Election Day Emboldens Trump Naysayers(抜粋)

◎米国債:30年債利回りが上昇-マイクロソフトの起債計画に反応

  30日の米国債市場ではイールドカーブ(利回り曲線)がスティープ化。マイクロソフトによる170億ドル(約1兆9300億円)規模の起債計画が30年債利回りを押し上げた一方、米国の移民政策をめぐる懸念などを手掛かりとした世界的な株価下落で、期間短めの国債の利回りは低下した。

  30年債の利回りは上昇。一時3.1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上げて約3.09%を付けた。

  ニューヨーク時間午後4時59分現在、30年債利回りは2bp上昇の3.079%。期間が短めの国債の利回りはほぼ変わらず。一時は米国株の主要指数の下げとともに低下していた。

  5年債と30年債の利回り格差は拡大し、今年初めて114bpを上回った。

  30年債は米東部時間午前8時頃にこの日の最高水準を付けた。マイクロソフトによる起債計画発表の数分後だった。

  ソフトウエア関連を中心に米国株が下げるのに伴い、期間が短めの国債利回りはこの日の最低水準を付けた。米国株の下落は、トランプ大統領がイスラム圏7カ国の市民の米入国を一時停止する大統領令に署名したことで、企業の労働力に支障が生じるとの懸念が広がったことが背景。
原題:Treasury Curve Steepens as Microsoft Issue Includes 40-Year Debt(抜粋)

◎NY金:反発、トランプ米大統領の移民政策めぐる混乱で逃避の買い

  30日のニューヨーク金先物相場は反発。米移民政策をめぐる混乱を背景に懸念が強まり、逃避先としての貴金属需要が再び活発化した。

  シンクマーケッツUKのチーフ市場アナリスト、ナイーム・アスラム氏は「就任から1週間たち、トランプ米大統領は投資家を既に慎重姿勢にさせており、先週末の大統領令はドルに影響を及ぼしている」と述べた。

  ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物4月限は前週末比0.4%高の1オンス=1196ドルで終了。今月に入ってからは約3.8%上昇している。
原題:ETF Buyers Return to Precious Metals as Trump Turmoil Sows Angst(抜粋)

◎NY原油:続落、米リグ稼働増を嫌気-OPEC減産に水差す

  30日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物が続落。先週の米石油リグ(掘削装置)稼働数が約1年ぶりの高い数字となり、供給超過の解消を目指す石油輸出国機構(OPEC)の努力に水を差すとの見方が広がった。

  トラディション・エナジー(コネティカット州スタンフォード)のシニアアナリスト、ジーン・マクギリアン氏は電話インタビューで、「金曜日に発表されたリグ稼働数がまだ市場に効いているようだ」と話す。「890万バレルを超えている米国の原油生産は、リグ稼働数の増加でさらに伸びつつある。北米の生産、特に米国の生産がOPECの減産を部分的に相殺することになりそうだ」と述べた。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物3月限は前営業日比54セント(1.02%)安い1バレル=52.63ドルで終了。前年比では57%上昇している。ロンドンICEの北海ブレント3月限は前営業日比29セント(0.5%)下げて55.23ドル。
原題:Oil Falls a Second Day as U.S. Drilling Expands While OPEC Cuts(抜粋)

◎欧州株:3カ月ぶり大幅安、石油株に売り-米入国禁止令の影響見極め

  30日の欧州株式相場は約3カ月ぶりの大幅安となった。原油安を背景に石油株が売られたほか、トランプ大統領が署名したイスラム圏7カ国からの入国一時禁止の影響を見極めようとする動きが広がった。

  指標のストックス欧州600指数は前週末比1.1%安の362.55で引け、昨年11月2日以来の大きな下げとなった。月初来の上昇率は0.3%に縮小。鉱業株や石油・ガス株のほか、銀行や保険の株式など昨年10-12月に大きな上げを演じた銘柄の下げが目立った。

  CMCマーケッツの市場アナリスト、マイケル・ヒューソン氏(ロンドン在勤)はリポートで、「月末に向かう中で失望させられる週明けだ。欧州株の売りの引き金となったトランプ大統領署名の最新大統領令を投資家らが精査する中、米国はビジネスを行うには予想しづらい場所となりつつあるのかもしれないとの懸念が高まっている」と指摘した。

  ドイツのDAX指数もここ3カ月で最もきつい値下がりとなった。同国ではインフレ率が1月に約3年ぶりの高水準に達した。ギリシャのアテネ総合指数は3.5%下げ、2営業日の下落率は英国が昨年6月の国民投票で欧州連合(EU)離脱を選択した以降の最大を記録した。
原題:European Stocks Decline, Led by Insurers and Banks After Rally(抜粋)

◎欧州債:総じて下落-独インフレ率が上昇、域内全体でも加速の見方

  30日の欧州債市場ではユーロ参加国の国債が総じて下落。年初からの出足としてはほぼ20年間で最悪となっている。ドイツの物価統計がユーロ圏のインフレ率加速を示唆したことが背景にある。

  域内19カ国のほとんどで10年債が値下がり。ブルームバーグ・バークレイズ・ユーロ債指数によれば、ユーロ参加国の国債の1月のリターンはマイナス2.1%で、このまま行けば少なくとも1998年以降で最悪のスタートとなりそうだ。 

  商品高や景気加速に加え、世界的な貿易障壁につながり得る大衆迎合的な政治が投資家らの懸念を引き起こし、ドイツではインフレ加速が危惧されている。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は今月、緩和策を堅持し、ユーロ圏全体で物価圧力が全般的に高まる兆候を待つ姿勢を示した。 

  独連邦統計局が発表した1月の消費者物価指数(CPI)は、欧州連合(EU)基準で前年同月比1.9%上昇し、2013年7月以来の高水準となった。EU統計局(ユーロスタット)は31日に1月のユーロ圏インフレ率を発表する。

  BNPパリバの金利戦略グローバル責任者、ローレンス・マトキン氏は、「こうした売り浴びせは世界経済の見通しや余りにも低い利回り、インフレに起因している」と指摘。ドラギ総裁は極めて大規模な水準の緩和策の必要性について極めて明確にしていることから、ECBがテーパリング議論を開始するのは6月ごろかもしれないと付け加えた。

  ロンドン時間午後4時11分現在、イタリア10年債利回りは8.8ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.32%。ポルトガル10年債利回りは8.4bp上昇し4.23%となった。

  BNPパリバは、年初から約26bp上げているドイツ10年債利回りについて、年末までに0.7%に達すると予想している。
原題:European Bonds Resume Slide on Faster German Regional Inflation(抜粋)
Euro-Area Government Bonds End-of-Day Curves and Cross Spreads(抜粋)
German Inflation Nears 2 Percent as ECB Pushes Stimulus For All(抜粋)
  

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