30日の東京外国為替市場のドル・円相場は、一時1ドル=114円台前半まで下落。トランプ米政権の保護主義的な通商政策への警戒感や日米株安が重しとなった。もっとも今週の日本銀行金融政策決定会合や米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を見極めたいと慎重姿勢も強く、下値は限定的だった。

  午後3時40分現在のドル・円は前週末比0.4%安の114円60銭。早朝に付けた115円16銭から、正午すぎに一時114円27銭と2営業日ぶりの水準までドル安・円高が進んだ。主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.2%低下の1243.86。ドルは主要16通貨の大半に対して下落している。

  バンク・オブ・アメリカ外国為替本部の岩崎拓也営業本部長は、ドル・円の下落について、「米金利が低下しているほか、トランプ米大統領の入国制限などがポジティブではないということで売りが優勢になっている」と説明。「基本的には先週後半に戻した分の巻き戻しが出ている感じ。中国の旧正月で流動性が薄くなっているほか、今週は日銀会合や米FOMCを控えていることなども動きづらくさせている」と語った。

  日銀はこの日から2日間の日程で金融政策決定会合を開催。31日に結果と「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」を発表し、黒田総裁が会見する。ブルームバーグ調査によると、全員が金融政策の現状維持を予想している。同日に発表予定の来月の長期国債買い入れの運営方針をめぐっては、先週の日銀オペで中期ゾーンの買い入れが実質的に減額となる可能性が高まっただけに、市場関係者の関心は高い。

  JPモルガン・チェース銀行の棚瀬順哉為替調査部長は、前週に日銀の国債買い入れオペでサプライズがあって金融政策への不透明感が高まっている中、日銀会合や来月の国債買い入れオペ運営方針に注目と指摘。「これまでオペ運営方針が話題になることはなかったが、来月のオペ運営方針に反応することもあり得なくもない」と述べた。FOMCについては、「3月の利上げが示唆される状況ではない。明確な材料は出てこないと思う。ドットチャートやイエレン議長会見も予定されていない」と語った。

ドル紙幣
ドル紙幣
resort: Lend freely at a penalty rate against good collateral. Photographer: Daniel Acker/Bloomberg News

  FOMCは31日、2月1日の2日間の日程で開催される。ブルームバーグ調査によると、現状維持が見込まれている。

  27日の米国市場では、昨年10ー12月期の実質国内総生産(GDP)速報値が前期比年率1.9%増加と市場予想(2.2%増)を下回ったことなどを受けて、株安・債券高となった。

  この日の東京株式相場は4営業日ぶりに反落。日経平均株価は98円55銭(0.5%)安の1万9368円85銭で取引を終えた。

  オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)マーケッツ本部外国為替・コモディティー営業部長の吉利重毅氏は、「ドル・円はトランプ米政権の保護主義的なスタンスに対する懸念や日経平均の下落もあって下げている印象。27日の米GDPや耐久財受注のヘッドラインが弱かったことも重しかもしれない」と指摘。ただ、「ドル・円は週初の動きはショートで入ってきてる感じだが、114円を割れなければ意外とあっさり114円後半に戻す可能性もある。基本的には115円を中心としたレンジの範囲内の動き」とも語った。

  三菱東京UFJ銀行金融市場グループの野本尚宏調査役は、ドル・円は「ここ最近の上げで下方向には相応にストップロスもあると思われ、114円を割れて112円台に入るとネガティブなセンチメントになりやすいが、112円半ばを割れることない限り、FOMCでドル買いになる可能性もある」と分析した。

  ポンド・ドル相場は同時刻現在、0.1%高の1ポンド=1.2565ドル。1.2524ドルから一時1.2601ドルまでポンド高・ドル安に振れる場面があった。英中銀のイングランド銀行(BOE)は2月2日に金融政策会合を開き、四半期物価報告を発表する。

  JPモルガンの棚瀬氏は、ポンド・ドル相場に関して、「今週のBOE会合は材料にはならないだろう。ポンドはショートカバーによる買い戻しが大きい。ハードブレグジット(英国による強硬な欧州連合離脱)懸念からポンドが売り込まれていたので、ドル安によりポンドが下がりづらくなったところで、ショートカバーが加速したのだろう」と述べた。

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