ホンダは31日、米ゼネラルモーターズ(GM)と燃料電池(FC)システムの生産を行う合弁子会社を設立したと発表した。米デトロイトにあるGMの工場で2020年に生産を開始する。

  ホンダとGMは、13年の基本合意に基づき次世代FCシステムと水素貯蔵技術の共同開発をしており、新会社の設立により生産段階でも部品の共通化などを通じてコスト低減を図る。4250万ドル(約49億円)ずつ出資し、新会社では約100人の新規雇用を見込む。生産したFCシステムは、両社が将来発売する燃料電池車に搭載する。

  新会社は「フューエル・セルシステム・マニュファクチャリング」。経営は両社が指名する取締役3人が担い、社長と副社長は両社が2年ごとに持ち回りで受け持つ。ホンダの神子柴寿昭北米本部長は、専門領域におけるノウハウを提供し小型で低コストなシステム開発に取り組んできた結果、新しい価値を創造するシステムを共同で量産する段階に至ったと発表文書でコメントした。

「究極のモビリティ」

  ホンダは、16年にFCV「クラリティフューエルセル」を国内発売し、先月から米国での納車を開始。これまでに日米欧で合計118台を販売している。30年には全世界での販売台数の3分の2を電動化車両とする目標を掲げており、FCVを環境対応の「究極のモビリティ」と位置づけている。新会社発足に伴い、現在国内で生産するFCシステムは米国に移す。

  GMはFCVの市販はしていないが、燃料電池分野の特許数は全企業中トップとなっている。GMの燃料電池ビジネス担当ディレクター、チャーリー・フリース氏は、両社の共同開発で貴金属の使用量を大幅に削減しており、サイズも質量も小さい低コストのシステムが実現すると発表文で述べた。

現在は700万円超

  走行段階でのCO2排出量ゼロのFCVは、電気自動車(EV)と並ぶ究極のエコカーと位置づけられ、世界の自動車メーカーで開発が進んでいる。量産市販車として世界初のFCVとなったトヨタの「ミライ」は、4人乗りセダン車で723万6000円。ホンダのクラリティは5人乗りセダン車で766万円。経済産業省のロードマップでは25年までにFCV価格をハイブリッド車(HV)並みに下げることを目指している。

  気候変動の目標達成に向け、今月18日にはスイス・ダボスで水素協議会が発足。トヨタなど自動車メーカーのほかロイヤル・ダッチ・シェルなど石油産業を含む世界13社が参加した。一方で、ドナルド・トランプ米大統領は、自動車の排ガス規制などを監督する環境保護局に対し、「ジャンクサイエンスに基づく規制」と発言し、職員削減を求めるなど今後の環境行政の行方には不透明さが残る。

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