30日の東京株式相場は4営業日ぶりに反落。米国の昨年10-12月期の国内総生産(GDP)が予想を下回る伸びとなったほか、保護主義政策への懸念が広がった。米長期金利の低下を嫌気し、保険や銀行など金融株が安く、為替の円高推移を受けた機械株のほか、電力や情報・通信株も軟調。

  TOPIXの終値は前週末比5.48ポイント(0.4%)安の1543.77、日経平均株価は98円55銭(0.5%)安の1万9368円85銭。

  ちばぎんアセットマネジメントの奥村義弘調査部長は、「貿易摩擦問題、トランプ米大統領の不規則発言で起きているリスクなどをみると、先行きまでよく分からない。今週はイベントが多いため、発表を前に売りが優勢」との見方を示した。

東証内
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Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  米商務省が27日に発表した第4四半期の実質GDP速報値は、年率で前期比1.9%増と前期の3.5%増から伸びが鈍化、市場予想(2.2%増)も下回った。 昨年12月の米耐久財受注も0.4%減と予想から下振れ。同日の米国株は、S&P500種株価指数が0.1%安と軟調だった。一方、10年債利回りは2.48%と2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下した。

  この影響で、きょうのドル・円相場は一時1ドル=114円20銭台と27日の日本株終値時点115円5銭に対しドル安・円高に振れた。東海東京調査センターの平川昇二チーフグローバルストラテジストは、「11月以降のドル高が米輸出の足を引っ張っていることがGDP統計で明らかになった。日本など米国外の国からみれば、米国がドル高政策をやめるのではないかと懸念が広がりやすい」としている。

  また、トランプ米大統領は27日にイスラム圏7カ国の市民の入国を禁止する大統領令に署名した。さらに、日本時間28日夜の安倍晋三首相との電話会談では、米国の雇用をつくってほしいと述べた、と共同通信などが29日に報道。両者は2月10日にワシントンで日米首脳会談を行う。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の折見世記シニア投資ストラテジストは、「米国の保護主義的な政策は日本株最大のリスク」とし、日米貿易交渉などへの懸念で一気に1ドル=120円までドル高・円安が進むとの期待が後退し、「リスクオンムードにはなりにくい」と言う。

  週明けの日本株は下落して始まり、日経平均は午前半ばに一時171円安の1万9295円まで下げ幅を拡大。ただし、投資家の短期売買コストである25日移動平均線(1万9239円)を維持したほか、日本銀行の上場投資信託(ETF)買いの観測などから午後は下げ渋った。国内企業業績に対する信頼感も下支え要因の1つ。ちばぎんアセットの奥村氏は、「四半期決算はおおむね好調。ロボット関連企業などが、グローバルな需要が足元で高まっていることを示した」とみている。きょうは、2017年3月期の純利益計画を上方修正した東邦チタニウム、10-12月期営業利益が前年同期比で8.8%増えた野村総合研究所などが大幅高となった。

  30-31日の日程で日銀が金融政策決定会合を開催、31ー2月1日には米国で連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれる。日米とも、今回は政策変更なしというのが市場コンセンサスだ。東証1部の売買高は15億3274万株、売買代金は1兆9241億円。2兆円割れは16日以来、ことし2回目。上昇銘柄数は848、下落は1003。

  東証1部33業種は保険や電気・ガス、銀行、機械、不動産、繊維、情報・通信など23業種が下落。石油・石炭製品や鉄鋼、ゴム製品、海運、食料品など10業種は上昇。売買代金上位では、半導体メモリー事業の分社化を27日に正式発表したが、さらなる資本増強が必要とみられた東芝、10-12月期業績は想定の範囲内で、株価上昇のカタリストを欠くとメリルリンチ日本証券が指摘したNTTドコモは安い。人気ゲーム「バイオハザード」最新作の初動の販売実績が物足りない、とみずほ証券が指摘したカプコンも売られた。半面、通期利益計画を上方修正したアルプス電気、今期は2割営業増益を計画するMonotaROは高い。

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