来週の債券市場では長期金利に上昇圧力がかかりやすいと予想されている。トランプ米政権の動向や米連邦公開市場委員会(FOMC)に対する警戒感を背景とした米長期金利上昇につれて、売りが優勢になるとの見方が出ている。日本銀行の国債買い入れオペをめぐる不透明感から、金融政策決定会合や当面のオペ運営方針を見極めようとする姿勢も強まる見通し。

  T&Dアセットマネジメント債券運用部の泉功二ファンドマネージャーは、「トランプ政権下の米金利が上昇に向かう中で、国内金利も市場関係者が意識する上限に張り付きやすい」とし、「長期金利が一時的に0.1%を超えることもあり得る」と予想。「日銀が長短金利操作の下で守りたいのはあくまで10年金利で、超長期ゾーンは放置かもしれない」とし、超長期債はスティープ化しやすいとみる。

  今週の新発10年物国債345回債利回りは序盤に0.045%まで低下したが、25日の日銀オペで残存期間1年超5年以下が買い入れ対象とならなかったことで、月間の回数が減らされるとの懸念から売り優勢に転じた。26日には一時0.09%と1カ月ぶりの水準に上昇。一方、27日には5年超10年以下のオペが増額されたことで、0.07%まで買い戻された。

  超長期債は軟調推移となり、新発20年債利回りは0.665%、新発30年債利回りは0.85%、新発40年債利回りは1%台と、いずれも11カ月ぶりの高水準を付けた。

  パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長は、「残存5年超10年以下が増額されたが需給的には力不足」とし、「イールドカーブコントロールの意思表示はできたものの、増額されたオペの金額がまた元に戻るのではないかとの警戒感があり、上値を抜け切れていない」と説明。「40年債が1%に到達するなど超長期債が安くなった」とし、「やはり絶対水準が問題。下落局面で最終投資家の買いがどれだけ入るかが重要になる」と述べた。

日銀決定会合や10年債入札 

黒田東彦日本銀行総裁
黒田東彦日本銀行総裁
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  来週は日銀が30、31日の日程で金融政策決定会合を開く。ブルームバーグがエコノミスト42人を対象に18-23日に実施した調査によると、全員が現状維持を予想した。緩和予想が1人もいなかったのは昨年12月会合に続き2回連続。結果発表時に経済・物価情勢の展望(展望リポート)を公表する。

  31日に日銀が当面の長期国債買い入れの運営方針を発表するほか、2月2日に財務省が10年利付国債入札を実施する。

  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、「日銀は展望リポートで、経済成長率と物価見通しを小幅に上方修正する可能性がある」と言い、「債券相場の上値を抑える要因になるだろう」と予想。10年債入札については、「日銀の金融緩和姿勢に支えられて無難に消化される」と読む。

  米国では31日、2月1日にFOMCが開かれるほか、3日には1月の雇用統計が発表される。三菱UFJ信託銀行資金為替部の鈴木秀雄課長は、「FOMCや雇用統計の発表を控え、米金利の動向に注目」だとし、「足元では海外金利の上昇が目立っており、欧州金利の上昇も警戒される」と指摘。日銀の2月の国債買い入れ方針も注目だとし、「基本的にはオペをめぐる思惑でボックス相場になりやすい」とみる。

市場関係者の見方

*T

◎岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジスト
*日銀オペ、10年債利回りの上昇には歯止めをかける姿勢を示し、目先の下値不安は後退
*投資家の慎重な姿勢が続き、国債利回りの低下余地は限られよう
*長期金利の予想レンジは0.05%~0.10%

◎T&Dアセットマネジメント債券運用部の泉功二ファンドマネージャー
*2月の日銀買い入れ、回数・金額とも変えてこないとみる
*日銀としては札割れは避けたい、金利低下気味で減額できる時に減らしておきたいのではないか
*長期金利の予想レンジは0.03%~0.09%

*パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長
*10年債入札、2月のオペ方針で5-10年が増額された金額で維持されれば買いやすい
*日銀声明文から年80兆円の数字がなくなると買い入れ減額の布石に、10年入札の命運決める
*長期金利の予想レンジは0.05%~0.10%

*三菱UFJ信託銀行資金為替部の鈴木秀雄課長
*買い入れ方針、5年超10年以下は1月当初の4100億円、中期債の回数レンジ据え置き想定
*40年債利回りが1%に到達した中、25年超の買い入れを増額するか否かも注目
*長期金利の予想レンジは0.02%~0.09%
*T

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