2月1週(1月30日ー2月3日)の日本株は小幅に続伸する見通し。良好な経済情勢を背景に米国の追加利上げと為替のドル高・円安観測が根強い上、国内企業業績の底打ち、反転を見込む買いが先行しそうだ。一方、トランプ米大統領の保護主義的な発言は上値の抑制要因になり得る。

  米国では31日ー2月1日の日程で連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれる。今回は政策変更なしとの見方が有力だが、消費や住宅関連統計で強めの内容が続くほか、連邦準備制度理事会(FRB)要人のタカ派的な発言で追加の利上げ観測が市場関係者の間に根強くある。1日の供給管理協会(ISM)による製造業景況指数、3日の雇用統計で1月も米経済の堅調が確認されれば、3月利上げの確率が高まり、米長期金利の上昇やドル高・円安を通じ日本株の押し上げ要因となりそうだ。

株価ボード前の歩行者
株価ボード前の歩行者
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  国内では主要企業の決算発表が本格化する。11月以降の急激な円安で製造業中心に利益計画が上方修正されるケースが目立ち、第1週は31日に任天堂や村田製作所、1日に日立製作所やキーエンス、2日はパナソニックやソニー、3日にホンダが公表予定だ。みずほ証券リサーチ&コンサルティングによると、発表率4.1%の時点で東証1部3月期企業(金融除く)の今期経常利益予想は6%減、事前の8.9%減からマイナス幅は縮小方向にある。来期は7.8%増の見込み。また、30ー31日には日本銀行が金融政策決定会合を開く。ブルームバーグの調査では、エコノミスト42人全員が金融政策の現状維持を予想している。

  一方、米国の保護主義的政策は日米間、世界貿易にマイナスの影響を及ぼすとの懸念につながりやすく、トランプ政権の発言には注意が必要だ。25日にはメキシコ国境に壁を建設し、米国への移民流入規制を強化する大統領令に署名。壁建設費の捻出のため、メキシコからの輸入品に20%課税する意向も示し、米国とメキシコの首脳会談は中止になった。1月4週(23ー27日)の日経平均株価は週間で1.7%高の1万9467円40銭と3週ぶりに反発。米新政権によるパイプライン建設の推進など、政策実行スピードの速さを評価する買いが入った。

  • ≪市場関係者の見方≫

アセットマネジメントOneの浅岡均ストラテジスト
  「日米企業の決算発表が進む中、業績改善が引き続き投資家に安心感を与える。日米の株価堅調は米政権の政策期待が根底にあるが、足元では企業決算が株価押し上げの大きな要因。米企業の昨年10-12月期決算はドル高によるマイナスの影響が一巡、強い着地となっており、国内企業も業績の底入れを確認しよう。ISM製造業景況指数や雇用統計など米国の経済指標が強い内容なら、3月の利上げ観測が浮上し、米金利上昇やドル高は米国株に不利でも日本株にはプラス」

アムンディ・ジャパンの浜崎優市場経済調査部長
  「株価指数は年初の高値を上回る場面がありそうだ。足元の相場はトランプ米大統領の保護主義的な発言に目をつぶり、米国の実体経済や企業業績の良さがフォーカスされやすい。今回のFOMCで利上げはないとみるが、声明文がタカ派的なトーンになれば、3月利上げが視野に入る。米長短金利の上昇が再びドル高・円安に作用し、日本株の買い材料になる。日本企業の決算も円安で10-12月期に潮目が変化、来期の増益期待が高まることで買い安心感も広がる」

三井住友信託銀行の瀬良礼子マーケット・ストラテジスト
  「2月の米予算教書で財政規模が明らかになるまで、日米とも上値を買い上げるのは難しい。トランプ大統領の就任に伴うユーフォリアは続くが、来年度予算に関する具体的な数字が出るのを待ちたい。FOMCで3月の利上げ期待が強まっても、直近の市場動向からはドル高・円安に日本株が素直に反応しないことも考えられる。むしろ、トランプ大統領から保護主義的な発言が出てくると、ドル安・円高、日経平均は1万9000円を割り込む場面もありそう」

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