金融市場のボラティリティー(変動性)を測る指標で最も有名な指数が、世界金融危機前の水準付近に低迷し、退屈させるようなシグナルを送っている。

  ただ問題は、このシカゴ・オプション取引所(CBOE)ボラティリティー指数(VIX)がS&P500種株価指数に基づく指数である点だ。一歩下がって世界を見渡せば、今年初めも過去2年間に見られたのと同様にボラティリティーが高まっていることが示されている。

  新興国通貨の変動性は群を抜いており、エジプト・ポンドや中国人民元といった資産に投資する危険性と収益性を物語っている。ブルームバーグが過去20年間の金融市場の価格変動を調査した結果では、過去2年間の初めの時期は、リーマン・ショックや短期金融市場の機能停止で世界が大きく揺れた2009年以降でボラティリティーが最高だった。

  市場関係者によると、今年はとりわけトランプ大統領の政策課題の影響などさまざまな未知の要素に市場が反応して、ボラティリティーが上昇傾向になる公算が大きい。JPモルガン・チェースのストラテジストらは、経済政策の体系が恐らく第二次世界大戦以降見たことのない方法で作り直されつつあると指摘する。

  フィデリティ・インターナショナルのマルチアセット・シームの運用ディレクター、スチュアート・ランブル氏は「ボラティリティーがここ数年に比べて低下していると投資家が本当に感じているとは私は思わない」と述べ、「市場ではここ数カ月に支配的なトレンドが見られ、投資家は米大統領選後、経済成長やインフレ高進に備えている」と指摘した。

原題:Don’t Be Fooled by the VIX: 2017 Is Shaping Up as Volatile Year(抜粋)

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