自動車業界はさまざまなモデルの車体を共通化し、規格統一を進めた結果、生産の移転が従来よりも容易になっており、トランプ米大統領が北米自由貿易協定(NAFTA)の見直しを通じてメキシコ製の自動車に多額の関税を課しても、組み立てや部品生産がミシガン州に100%確実に戻ると言うことはできない。

  自動車メーカーはコストの安い海外の拠点に生産を移すかもしれない。ミシガン州の米自動車研究センター(CAR)のシニアアナリスト、バーナード・スウィーキー氏は「そうなれば、あらゆる低コストの国を対象に『もぐらたたきゲーム』をやらなければならなくなるだろう」と指摘する。

  CARの試算によれば、そうなった場合、米国で約3万1000人の雇用が失われる恐れがある。メキシコ製品に使用される部品の約40%が米国の工場から供給されており、米国の自動車メーカーではこの割合はさらに顕著だ。ゼネラル・モーターズ(GM)北米部門のアラン・ベティ社長によれば、メキシコの生産拠点で使われる部品の70%余りが米国製だ。

  スウィーキー氏によると、関税を避けるためにコストの安いアジアの工場でそれらの自動車の組み立てが始まれば、部品生産もそれに続く可能性が高い。重要なことは、米国市場向けにメキシコで自動車を製造するメーカーが、GMとフォード・モーター、フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)だけでないということだ。

  ドイツの自動車メーカー、フォルクスワーゲン(VW)や日産自動車トヨタ自動車ホンダがいずれも生産の移転に動けば、米国製の部品を購入する理由がなくなるだろう。

原題:Trump Threatens to Undo Nafta’s Auto Alley(抜粋)

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE