トランプ米大統領のメキシコとの国境沿いに壁を建設する計画は巨額費用がかかるほか、メキシコとの外交関係に既に亀裂を生じさせた。だが、それだけではなく、地球にとって良くないと科学者らは言う。

  ニューヨーク大学とユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)のエンジニアによると、コンクリート利用で温室効果ガスが排出される可能性があるが、今回の壁に使用するコンクリートの量は米フーバーダム の倍以上を必要とする。

  全長1000マイル(約1600キロメートル)の壁建設には2億7500万立方フィートのコンクリートが必要と見積もられ、それによって排出される二酸化炭素(CO2)は最大190万トンとの試算をコロンビア大学地球研究所の科学者、クリストフ・メインレンケン氏が出した。これは、米ピッツバーグの全ての住宅から1年間に排出されるを上回るという。

  米環境保護団体シエラクラブのアリゾナ支部でコーディネーターを務めるダン・ミリス氏はインタビューで、「あれだけの規模の壁のCO2排出量は巨大になる」と語った。

  コンクリートによるCO2排出の大半は主原料のセメントによるもの。セメントは石灰石を分解して生産するが、その際にCO2が発生するほか、セメント1トンを生産するのに約181キロ相当の石炭が必要になる。地球研究所によると、セメント業界からのCO2排出量は世界全体の約5%を占める。

原題:Scientists Warn Trump’s Border Wall Will Be Bad for the Planet(抜粋)

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