27日の東京外国為替市場ではドル・円相場が上昇し、1週間ぶりに1ドル=115円台を回復した。日本銀行による国債買い入れ増額を受け、緩和縮小への警戒感が和らぎ、日米金利差が拡大するとの見方からドル買い・円売りが強まった。

  午後4時17分現在のドル・円相場は前日比0.6%高の115円22銭。朝方は114円台半ばを挟んで推移していたが、午前10時10分に国債買い入れオペが通知されると円売りが強まり、115円台に上昇。午後の取引終盤には115円26銭まで値を切り上げた。

  日銀は27日の国債買い入れオペで、5年超10年以下を前回の4100億円から4500億円に増額した。25日に中短期ゾーンの買い入れオペを行わなかったことから、市場ではこの日の金融調節に注目が集まっていた。

  しんきんアセットマネジメントの加藤純シニアファンドマネージャーは、「日銀のオペリスクが増額で和らいで、円売りになった」と説明。「目先的には株高や米金利上昇および高止まりということもあり、ドルは上昇しやすい」と語った。

  27日の債券相場はオペ増額を好感し、一時上げ幅を拡大。前日に0.09%と昨年12月中旬以来の高水準を付けた10年債利回りは0.07%まで低下した。一方、超長期債利回りは前日に付けた11カ月ぶりの高水準を更新し、利回り曲線にはスティープ(傾斜)化圧力がかかった。

  三菱UFJ信託銀行ファンド営業課課長の酒井聡彦氏は、「債券や株の動きからすると為替の動きは前回のオペ見送りで少し抑えられていたのもあるので、そこの重しは少し外れるのではないか」と話した。  

  27日の東京株式相場は続伸。ただ、トランプ米大統領の保護主義政策への警戒感から伸び悩み、日経平均株価は65円高で取引を終えた。  

  しんきんアセットの加藤氏は、来週はドル・円が115円台半ばを超えて116円台前半の突破が焦点になりそうだが、「保護主義と株高イコールリスクオンのテーマがころころ変わる中で、ショートカバー以上にドル買いが進むかというと難しい」と指摘した。

  ブルームバーグのデータによると、円は主要10通貨全てに対して前日比で下落。ドルは全面高となっている。
  
  米国ではこの日、昨年10-12月の国内総生産(GDP)が発表される。ブルームバーグ調査の予想中央値は前期比年率2.2%増。同7-9月は3.5%増だった。

  米10年債利回りは前日に一時2.55%と1カ月ぶりの水準まで上昇した後、好調な入札を受け2.50%まで低下。アジア時間27日の時間外取引では2.52%台まで水準を切り上げている。

  三菱東京UFJ銀行グローバルマーケットリサーチの内田稔チーフアナリストは、「GDPが2%後半となると財政出動との思惑が相まって、イエレン議長が前のめりになるのではないかとの思惑が強まりかねない」と指摘。そうなれば短期的に相場がドル高に動く可能性はあるものの、最終的には米財政政策の見極めが付かないと米長期金利が2.6%を超えて上昇していくのは難しく、「ドル・円は下は堅いが上は上で重いというのが続くだろう」と語った。

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