米原子力事業で数千億円規模の減損損失が見込まれる東芝は27日、メモリ事業を3月末をめどに分社化すると発表した。20%未満の外部資本の導入も視野に入れている。外部資本によって損失を補てんし、債務超過に陥るのを回避する。

  発表によると、東芝は半導体部門から、スマートフォンなどの記憶媒体として使われるメモリ事業を分社化する。分社化の理由として、原子力事業での減損によって3月末までの財務強化が必要になった点や、大規模な設備投資が必要なメモリ事業を機動的に経営する狙いを挙げた。3月下旬に臨時株主総会を開き承認を得る。

  分社化するメモリ事業の2016年3月期の売上高は8456億円、営業利益は1100億円だった。綱川智社長は27日の会見で、メモリー事業への外部資本について「20%未満とするのが基本的考え方」と述べた。成毛康雄副社長は同事業の将来的な新規株式公開(IPO)は可能性の一つだと話した。東芝株は発表を受けて上げに転じ、一時前日比4.5%高まで上昇した。終値は同0.5%高の259.9円。

  東芝は15年末に買収した米原発関連建設・サービス会社の取得価格と純資産の差にあたる「のれん」が膨らみ減損損失が増大、債務超過に陥る危険がある。半導体事業への外部資本受け入れや非主力事業売却により、資本を積み増したい考え。2月14日に中期経営計画を示すとともに「のれん」の計上額や発生原因を発表する。

  綱川社長は原子力事業について、エネルギーソリューション部門から独立させて社長直属とし、米子会社ウェスチングハウス・エレクトリック(WH)に対する統治を強めることを検討するとした。原子力事業では原発の建設作業は請け負わず、タービンなど機器の納入だけにとどめるか中期計画で見直すと話した。

  関係者によると、原子力事業の減損額は4000億円から7000億円で算定中という。昨年11月の発表によれば、9月末時点の東芝の株主資本は約3600億円、17年3月末の純利益予想は1450億円だった。

  金融機関は問題発覚後も、東芝を支援する方針を示している。複数の関係者によると、主要取引銀行は2月末まで融資を継続する。東芝の格下げを受け、融資の条件となる財務制限条項に抵触するが、融資を続けることで再建を支援するという。

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