27日の東京株式相場は3日続伸。為替の円安推移が好感され、国内企業の決算発表が徐々に始まる中、業績の先行きを楽観視する買いが優勢だった。海外原油市況の反発を材料に鉱業、石油株の上げが目立ち、ゴム製品や銀行株も上げた。四半期決算が好調のエムスリーは急伸。

  TOPIXの終値は前日比4.24ポイント(0.3%)高の1549.25、日経平均株価は65円1銭(0.3%)高の1万9467円40銭。

  大和住銀投信投資顧問の岩間星二ファンドマネジャーは、「今後を心配させるような決算が現時点ではなく、来期にかけて増益見通しを持ちやすい」と指摘。背景には世界景気の良好さがあり、「為替も業績にはポジティブで、来期は年度を通じて良くなるのではないか」と話した。

東証内
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Photographer: Junko Kimura/Bloomberg

  きょうのドル・円相場は1ドル=115円台前半と、20日以来のドル高・円安水準に振れた。日本銀行が国債買い入れオペを増額、債券先物が上げ幅を広げ、日米金利差の拡大を材料に円売りが先行した。前日の日本株終値時点は113円33銭。トランプ米大統領の就任以降、保護主義政策への警戒から113円台での推移が多くなっていただけに、日本株の買い安心感につながった。

  岡三オンライン証券の伊藤嘉洋チーフストラテジストは、「ドルが意外に強く、海外ファンドが落としていた日本株のポジションを巻き戻し、時価総額上位銘柄に買いを入れた」と言う。また、米国の利上げ局面やトランプ大統領の経済政策期待から「為替は円安方向。国内の景気回復が鮮明になってきており、日本株はPBRなどで出遅れ感があり、買いやすい」との認識も示した。

  野村証券はリポートで、ドル建て日経平均が前日に2000年4月以来の高値を付け、日本株を買わないリスクが意識される段階にきている、と指摘。既に世界最高水準にある日本株の業績モメンタムは足元の決算発表を通じ、もう一段上振れる可能性が高いと予想した。

  この日の日経平均は、午前の取引で一時84円高の1万9486円と心理的節目の1万9500円に迫ったが、トランプ米大統領の保護主義政策に対する根強い警戒、週末を前にした持ち高整理の売りが上値を抑え、午後は一時1円高まで伸び悩む場面があった。スパイサー米大統領報道官は26日、トランプ政権がメキシコ国境の壁建設費用を捻出するため、同国からの輸入品に20%の課税を検討していると発言。米国とメキシコの首脳会談は中止になった。両国貿易関係の破綻懸念が強まり、メキシコ・ペソは急落した。大和住銀の岩間氏は、「米政権がどう動くのかはまだ不透明で、疑心暗鬼。減税や財政政策への期待感はあるものの、見通しを立てにくい」としている。

  東証1部33業種は鉱業やゴム製品、空運、石油・石炭製品、銀行、保険、精密機器、情報・通信など20業種が上昇。原油関連は、26日のニューヨーク原油先物が2%高とほぼ3週ぶりの高値に反発したことを受けた。海運や鉄鋼、その他金融、証券・商品先物取引、輸送用機器、化学など13業種は下落。東証1部の売買高は19億4716万株、売買代金は2兆4304億円。上昇銘柄数は1003、下落は857。

  売買代金上位では、16年4ー12月期が増益のエムスリー、セパレーター生産ラインの量産が稼働したダブル・スコープが急伸。KDDIやSMC、ブリヂストン、国際石油開発帝石も高い。半面、16年10ー12月期が大幅減益のサイバーエージェント、17年3月期の純利益計画を下方修正した日立国際電気が大きく下げ、信越化学工業やブイ・テクノロジー、タカタも安い。

TOPIXのEPSの推移
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