総務省が27日発表した昨年12月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)は10カ月連続のマイナスとなった。エネルギーの下落幅が縮小したことで全体を押し上げ、前月からマイナス幅は縮小した。

キーポイント

  • 全国コアCPIは前年比0.2%低下(ブルームバーグ調査の予想中央値は0.3%低下)-マイナス幅は前月(0.4%低下)から縮小
  • 全国コアコアCPI(酒類を除く食料・エネルギーを除く)は横ばい(予想は0.1%低下)-前月(0.1%上昇)から伸びが縮小
  • 東京都区部(1月中旬速報)コアCPIは0.3%低下(予想は0.4%低下)と11カ月連続のマイナス-前月(0.6%低下)から縮小
  • 東京都区部(同)コアコアCPIは横ばい(予想は0.1%低下)-前月は0.2%低下
  • 日本銀行発表のエネルギーと生鮮食品を除いたCPIの12月分は0.1%上昇-前月(0.2%上昇)から伸びが鈍化

背景

  エコノミストの一部からは、原油安の影響のはく落や円安の影響でコアCPIが年内か来年初に1%に達する可能性があるとの指摘が出始めている。富士通総研の早川英男エグゼクティブ・フェローは13日、都内で開かれた講演会で、「1ドル=110円台が維持され、原油も1バレル=50ドル程度が維持されると、17年度後半の物価上昇率は1%くらいまで上がってくる可能性はある」と指摘した。

  日銀は30、31の両日、金融政策決定会合を開き、経済・物価情勢の展望(展望リポート)を策定する。複数の関係者によると、2017年度のコアCPI前年比は、前回1.5%上昇だった見通しをおおむね据え置くか、小幅に上方修正する公算が大きい。

エコノミストの見方

  • 東海東京調査センターの武藤弘明チーフエコノミストは統計発表後、コアCPIは早ければ2月にプラス転換し、10月頃には1%になると予想。エネルギー価格の上昇が要因で「デマンドプルで物価が上がっているわけではない。消費は力強さに欠ける」とし、2%のインフレ目標達成は無理とみている。
  • ジャパンマクロアドバイザーズの大久保琢史チーフエコノミストは統計発表後、「若干の物価の回復に関しても、日本の金融政策とは全くの関係のないことで、原油価格の上昇によるものだ」とした上で、「そろそろ日本は2%の目標を撤回した方がいい。政府は戦略もなく実現もされない目標を唱え続けることで結果として信用を失うことになってしまう」と語った。
  • みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストは発表後のリポートで、「全国・都区部ともに予想比上振れた主因は原油高と円安で、市況頼みの動きであることに留意する必要がある」と指摘。全国コアCPIは1月に前年比プラスになる可能性が高いが、原油高や円安の持続性に疑問があるなどとして、「1%に届かず頭打ちになるだろう」と予想している。

詳細

  • 総務省はこれまで日銀が独自に発表していたエネルギーと生鮮食品を除いたコアCPIについて1月分から同省が発表することを明らかにした
  • 全国コアCPIはガソリンの前年同月比がプラスに転じたほか、灯油、電気代などの下落幅が縮小するなどエネルギーが全体を押し上げた
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