前内閣官房参与で安倍晋三首相に経済政策を助言してきた本田悦朗駐スイス大使は、2018年4月に任期を迎える日本銀行の黒田東彦総裁の後任人事について、黒田氏の再任も選択肢の一つだとの考えを示した。

  本田氏は25日の電話インタビューで、後任総裁にふさわしい人材として「基本的には黒田総裁の路線を継承してくれる人」と指摘。これまでの金融政策の基本原則を理解し臨機応変に工夫する人が最低限必要だと述べ、「全く哲学が違う人がトップに来るとこれまでやってきたことが水泡に帰してしまう可能性もある」と語った。その上で、黒田総裁について「よくやっていると思う」として、再任も「一つのやり方」と述べた。

本田悦朗氏(2016年2月)
本田悦朗氏(2016年2月)
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg *** Local Caption *** Etsuro Honda

  黒田総裁は2%の物価上昇率目標の達成を目指して、マネーの量を目標とした量的・質的金融緩和を進めてきたが実現は難航。昨年はマイナス金利導入を経て9月に金融政策の目標を長短金利に切り替えた。黒田総裁の任期中に目標をできるとみている市場関係者は少ない。

  本田氏は、後任総裁選びの「リトマス試験紙」の一つとして「消費増税に強く反対した人」が望ましいとの考えを示した。本田氏は、「消費税増税に積極的な人は、われわれが今やっているリフレ政策をあまり理解してくれていない人たちじゃないかなという気がする」と指摘。「そういう人は総裁として不適格ではないか」と述べた。

  黒田氏は現在72歳。本田氏は、1月のダボス会議の際にチューリッヒの空港で出迎えたといい、「本当にお元気そうで英語も自由自在。非常に立派な方。年齢的には問題ない」と語った。本田氏は実際に再任されるかは、安倍首相がどう考えるか、また黒田氏が引き受けるかどうかだと述べた。

  市場では本田氏も次期日銀総裁候補として名前が挙がっているが、本田氏は首相に助言をする立場であり、自分自身を推薦するようなことはない、と述べた。

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