トランプ米大統領の就任からまだ数日しかたっていないが、同氏のホテル運営会社の首脳は全米で事業を積極的に拡大していく方針を示した。トランプ大統領に利益相反の新たな懸念が持ち上がっている。

  トランプ・ホテルズのエリック・ダンジガー最高経営責任者(CEO)は24日、ロサンゼルスで開かれた会議でのパネル討論会後に、「全米には主要な大都市圏が26あるのに、われわれが営業しているのは5つにすぎない」と発言。「最終的にこれら全ての地域で営業できない理由は見当たらない」と述べた。一方で、トランプ大統領の発言で早くも外交関係がぎくしゃくしている中国での拡大計画は棚上げするともパネル討論会で話した。

ワシントンのトランプホテル
ワシントンのトランプホテル
Photographer: Drew Angerer/Bloomberg

  トランプ氏の名前を冠したホテルは全米に8つあり、26の大都市圏で運営となれば単純計算で約3倍になる。就任2カ月前に首都ワシントンに開業したホテルは既に議論の的となっている。外国政府が利用して支払いが発生した場合に米憲法条項に違反する可能性があるほか、ホテルの建物が米連邦政府のリース物件であるためだ。

  また、フロリダ州パームビーチに持つ会員制リゾート、マール・ア・ラーゴの新規会員権は20万ドル(約2270万円)に倍増したと、同リゾートのマネジングディレクター、バーンド・レムキー氏が25日に電子メールで明らかにし、CNBCが最初に伝えた内容を確認した。同リゾートでトランプ氏は年末年始を家族や支持者と過ごしたほか、先週には就任演説の原稿準備も進めた。

  大半の倫理問題専門家はこれまでに、トランプ氏は自身の所有権を完全に手放すべきだと主張。ホテル事業がこのまま拡張すれば、大統領という「ブランド」効果でトランプ氏に利益をもたらす公算が大きく、利益相反をめぐってさらなる議論を呼ぶ可能性がある。民主党議員らも事業売却を呼び掛けているが、トランプ氏は拒んでいる。

  同氏は所有権を手放さずに、トランプ・オーガニゼーションの経営を息子2人に引き継ぎ、任期中に外国との新規取引は一切しないと約束した。トランプ・ホテルズの広報担当、ジェニファー・ロッドストロム氏に電話と電子メールでコメントを求めたが、これまでのところ返答はない。

原題:Trump Hotels, Amid Calls to Divest, Instead Plans Expansion (1) (抜粋)


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