26日の東京外国為替市場のドル・円相場は上昇。トランプ米政権の財政政策への期待などを背景とした米金利上昇や株高が支えとなった。半面、保護主義的な通商政策に対する警戒感が重しとなった。

  午後3時42分現在のドル・円相場は前日比0.3%高の1ドル=113円60銭。朝方に付けた113円05銭を下値に113円台前半でもみ合った後、欧州時間にかけて113円69銭まで上昇する場面があった。ブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.1%高の1240.00。

  オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)マーケッツ本部外国為替・コモディティー営業部長の吉利重毅氏は、「米株高となったが、基本的にはパイプライン建設や規制緩和といったミクロ部分を好感している印象。ドルはその点は織り込み済みで、その上で財政出動やインフラ投資についての具体的な規模感などを待っている状況でレンジになりやすい」と指摘。一方で、「財政出動の裏側では債務上限問題も付きまとう」と語った。

  米株高の流れを引き継ぎ、この日の東京株式相場は大幅続伸。日経平均株価は前日比344円89銭(1.8%)高の1万9402円39銭で取引を終えた。一方、国内債券市場で長期金利は2ベーシスポイント(bp)高い0.085%まで上昇している。

  あおぞら銀行市場商品部部長の諸我晃氏は、「短い年限の国債買い入れオペ減少で、日本国債の金利が上昇しており、日米金利差も上値を抑える要因になっている」と述べた。

  マネースクウェア・ジャパンの工藤隆営業本部法人部長は、ドル・円と日本株の連動性が弱まっていることを挙げ、「トランプ米大統領の発言と行動のせいだろう。保護主義的発言し放題で円安けん制する一方、国内製造業に規制緩和や減税を約束。米株が上がるのは当たり前だが、足元ではドル・円には重し」と解説した。

  25日の米国市場では、株式相場が続伸し、ダウ工業株30種平均は初めて2万ドルを突破。主要3指数が史上最高値を更新した。一方、米国債は続落し、10年債利回りは2.5%台に乗せた。

  トランプ米大統領は同日、メキシコ国境に壁を建設するとともに、米国への移民流入規制を強化する大統領令に署名した。

ドルと円
ドルと円
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  米国では26日、12月の新築住宅販売件数、景気先行指標総合指数、21日終了週の新規失業保険申請件数などが発表される。来週は、今年初の連邦公開市場委員会(FOMC)が1月31日、2月1日の日程で開催されるほか、3日に1月の米雇用統計が発表される予定。

  野村証券外国為替部の高松弘一エグゼクティブ・ディレクターは、ドル・円について「売り材料は、昨日の国債買い入れスキップによる日銀のテーパリング(量的緩和縮小)思惑とトランプ米大統領の保護主義姿勢や対日貿易への警戒感。買い材料は、日米株価上昇を受けたリスクオンと米金利の上昇」と分析。「112円50銭か114円50銭のどちらに抜けていくのかは、新たな材料が出てというよりも、上記の材料のどれがなくなって売り材料・買い材料のバランスが崩れるかだろう。来週の日銀会合やFOMCを見据えた上での米雇用統計がポイント」と語った。

  ポンド・ドル相場は同時刻現在、0.1%高の1ポンド=1.2647ドル。一時は1.2663ドルと先月14日以来のポンド高・ドル安水準を付けた。メイ英首相は訪米し、トランプ米大統領と27日に会談する予定。

  あおぞら銀の諸我氏は、「英最高裁判決で欧州連合(EU)離脱に議会の承認が必要となり、ハードブレグジットへの懸念が薄れている。ポンドは売りポジションがたまっていたので買い戻しが入っている」と述べた。野村証の高松氏は、英米首脳会談に注目しており、「トランプ政権のけん制が他国に対して出ている中、英国に対してはむしろ温和的な印象もあり、ポンド上昇を後押ししているように見える」と言う。

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