三井住友フィナンシャルグループは海外投融資案件を信託化して機関投資家に再販する業務を強化する。低金利の中、地方銀行などに販売して新たな手数料ビジネスに育てるとともに、バランスシートから分離できる利点を生かし資産査定を厳格化する国際規制の導入にも備える。

  三井住友銀行ディストリビューション営業部長の辻孝文氏は、海外案件でも円建てで購入できる仕組みで、新規投資を検討する地銀などから「引き合いが多い」と述べた。国内の運用環境悪化で「ビジネスチャンスは拡大」しており、地銀のほか農協や信金などの系統金融機関を対象に積極的に販売していく方針だ。

  三井住友銀はオリジネーション&ディストリビューション(O&D)と呼ばれるこのビジネスを約2年前に導入。海外の航空機や船舶、エネルギー関連向け融資などを再販してきた。三井住友Fの宮田孝一社長は4月からの中期経営計画で人員増強の検討も含め同事業を強化する意向を示している。

   同行によると、2016年4-9月のO&D実績は地銀や生損保、農林系金融など国内投資家向けに三井住友銀が保有する海外債権の再販部分が5億6900万ドル(約650億円)と前年同期比78%増加した。通年換算では前年度実績の11億1400万ドル(約1270億円)を超える勢いとなっている。

大手行と地銀のニーズ

  地域経済の縮小や長引く低金利で地銀は資金運用の多様化が課題となっている。一方、メガバンクでは外貨調達コストが上昇しているほか、保有資産のリスク算定に関する国際規制の強化で将来、海外アセットのオフバランス化を迫られる可能性がある。O&Dは双方のニーズにマッチする金融商品・サービスと位置づけられる。

  三井住友Fは、需要拡大が見込まれる航空機リースで世界3位の機体数を保有、アジアのインフラ向けのプロジェクトファイナンスでも上位にあるなど海外業務に強い。再販の源債権としてこのメリットを生かす。現在O&D業務は東京、大阪、ニューヨークで約60人体制。このうち投資家に接する営業部隊は21人となっている。

  地銀などがこうしたO&D商品に資金を投じれば、国内融資より高い金利が期待できるとともに、三井住友銀のサポートを受けて自前では難しい海外案件の審査や与信管理能力を補うことができる。三井住友銀はファイナンス組成や信託報酬、アセット売却益などを受け取る。

  三井住友Fの株価は27日午前9時57分現在、前日比85円(1.9%)高の4604円で取引されている

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